R35 GT-Rのバッテリー選び|軽さだけでなく「十分な容量」が重要な理由

協力:千葉県 MCR様

スポーツカーのバッテリー交換では、「何kg軽くできるか」が注目されがちです。

もちろん軽量化は大きなメリットです。しかし、日常でも使用するR35 GT-Rのバッテリーを選ぶ場合、重量だけを見て判断してよいのでしょうか。

今回は、千葉県のMCR様にご協力いただき、R35 GT-Rに搭載するバッテリーについて、鉛バッテリー、他社製リチウムバッテリー、EVOTECの3種類を比較しました。さらに、車両停止中の暗電流も実測し、R35に必要な容量について考えます。

3種類のバッテリーを重量と容量で比較

今回比較したバッテリーは次の3種類です。

バッテリー容量重量鉛バッテリーとの重量差
鉛バッテリー45Ah11.2kg―
他社製リチウムバッテリー13Ah3.0kg8.2kg軽量
EVOTEC EV-60B24L160Ah5.8kg5.4kg軽量

*他社リチウムバッテリーを今まで4年以上装着。トラブル無しのとても良いバッテリーです。今回は不具合は無いものの、新しくリリースした弊社バッテリーを搭載して頂きました。

他社製リチウムバッテリーの3.0kgは、軽量化という点だけを見れば非常に魅力的です。

一方、EVOTEC EV-60B24L1は5.8kg。3.0kgの製品より2.8kg重くなりますが、容量は13Ahに対して60Ahと約4.6倍あります。さらに、45Ah・11.2kgの鉛バッテリーと比べると、容量を15Ah増やしながら5.4kgの軽量化が可能です。

つまりEV-60B24L1は、単に最軽量を狙ったバッテリーではなく、R35に必要な容量の余裕を確保しながら、大幅な軽量化も実現する設計です。

R35 GT-Rの暗電流を実測

車両は、エンジンを停止している間も完全に電気を使わなくなるわけではありません。

純正セキュリティ、キーレスエントリー、時計、各種コンピューターのメモリー保持などにより、少量の電流が継続して流れています。これを「暗電流」といいます。

今回、R35 GT-Rで暗電流を測定したところ、25mA(0.025A)でした。

25mAは一見すると小さな数値ですが、24時間流れ続けると次の消費量になります。(その他社外セキュリティなど備える機材、車側のコンディションで暗電流の数値は異なります。25mAの暗電流はかなり少ない暗電流値です。)

  • 1日:約0.6Ah
  • 1週間:約4.2Ah
  • 2週間:約8.4Ah
  • 30日:約18Ah

この結果を各バッテリーの公称容量に当てはめると、単純計算では次のようになります。

バッテリー容量25mAで1日あたりに消費する容量公称容量相当を消費するまでの理論日数
13Ah0.6Ah約22日
45Ah0.6Ah約75日
60Ah0.6Ah約100日

ただし、これは公称容量を最後まで使用できると仮定した理論値です。実際には、始動に必要な電力を残す必要があり、気温、充電状態、バッテリーの状態、BMSの保護動作などにも左右されます。そのため、「13Ahなら22日間放置しても始動できる」という意味ではありません。始動できなくなる時期は、理論日数より早く訪れます。

特に、毎日乗るとは限らないR35では、保管中も暗電流が積み重なることを考えて容量を選ぶ必要があります。

走行中もバッテリーは重要な役割を担う

エンジン始動後は、基本的にオルタネーターが車両へ電力を供給します。しかし、バッテリーの役割が始動だけで終わるわけではありません。

車両の電装負荷が変化したときの電力を補い、電圧を安定させる役割も担います。R35のように多くの電子制御システムを搭載した車両では、始動性能だけでなく、十分な蓄電容量と電源の安定性も大切です。

小容量バッテリーはサーキット走行など、使用条件を限定して軽量化を最優先する場合には選択肢になります。一方、街乗り、長時間の駐車、セキュリティの常時作動まで考えると、容量に余裕のあるバッテリーの方が安心して使用できます。

「最も軽い」より「車両に合った軽さ」

今回の比較では、それぞれの特徴が明確になりました。

  • 鉛バッテリー:45Ah・11.2kg
  • 他社製リチウムバッテリー:13Ah・3.0kg。軽量化を最優先した仕様
  • EVOTEC EV-60B24L1:60Ah・5.8kg。容量の余裕を確保しながら5.4kg軽量化

EVOTECが重視しているのは、数字上の最軽量だけではありません。

R35 GT-Rの使用環境、暗電流、走行時の電源負荷、保管期間などを考え、軽量化と実用容量のバランスを取ることが重要だと考えています。

今回装着したEV-60B24L1は、鉛バッテリーより5.4kg軽量でありながら、容量は45Ahから60Ahへ増加します。サーキット専用車だけでなく、街乗りや週末のドライブにも使用するR35に適した選択肢です。

まとめ

リチウムバッテリーの魅力は軽さだけではありません。低抵抗、高い始動性能、電圧の安定性、そして必要十分な容量をどう組み合わせるかが重要です。

R35 GT-Rでは、停車中にも今回の実測で25mAの暗電流が流れていました。特に乗車間隔が空く車両では、容量が小さすぎると、軽量化と引き換えに保管時の余裕を失う可能性があります。

軽さだけで選ばない。車両の使い方に合った容量まで考えて選ぶ。

EVOTECは、R35 GT-Rを安心して楽しむためのバッテリーとして、60Ah・5.8kgのEV-60B24L1をご提案します。

今回の検証にご協力いただいた千葉県のMCR様、ありがとうございました。


※掲載数値は今回の車両および測定条件で得られた結果です。車両の年式、装備、追加電装品、測定条件によって異なります。

弊社リチウムバッテリーSE36700 Ver2 船検対応と承認!!     リチウムバッテリー小型船舶 船検対応は日本初!!

リチウムバッテリーは船検NG!!

弊社は自動車やバイクのクランキング用のバッテリーを先次て販売していました。そこからお客様のご依頼を受けて、エレキモーター用のディープサイクルリチウムバッテリーを販売させて頂きました。2017年販売を開始して5年ほどの月日が流れました。発売当時は弊社以外でエレキ用リチウムバッテリーは皆無、そのほとんどが鉛バッテリーという状況でした。それはリチウムバッテリーは危険というイメージ、メーカーもユーザーも選択肢には無く、リチウムバッテリーが供給される状態では全く無かったという業界でした。

弊社バッテリーをご使用頂いたユーザー様が体感したメリット、軽さ、長時間使用できる等が受け入れられ、今では数社のリチウムバッテリーを販売されるメーカー様や、多くのユーザーがリチウムバッテリーをご使用されるようになってきました。それでもバスボートにリチウムバッテリーを搭載したままだと、船検が通らないというのが現状でした。それはやはり危険な事に加えて、前例(実績)が無いために認められないという事でした。

前例が無いのであるならば、前例を作るまで!!

それではどのような手順を踏めば船検承認バッテリーになるのでしょうか?小型船舶検査機構様に尋ねてみました。そこで回答を頂きましたが、それは移動体用途に使用されるリチウムバッテリーの安全規格IEC62619(国際安全規格)の規格に合格し、その検査機関が基準を満たしている事を証明する事(検査機関がIEC17025規定を満たす事)が求められました。弊社ではOEMでバッテリーを製作している事もあり、ある程度検査機関の情報は入手しておりましたので、難なく検査機関を選定し、検査依頼を行いました。

検査開始し合格へ!!

検査機関に数多くのSE36700Ver2のサンプルを提供、電池の単セルも提供し各条件に合わせてテストを行って頂き、安全性を確認して適合証明レポートが発行され合格しました。言葉にすると簡単ですが、期間は長くコストも決して安くはありません。ただ、SE36700の安全性を国際機関で証明できたことは、大きい財産となりました。

用意万全!!日本での船検対応バッテリー承認へ!!しかし大きな壁が………

検査も終わりテストレポートを入手し、小型船舶検査機構様へと今後の段取りを確認する為に連絡させて頂きました。しかし、やはり前例が無いため事は慎重に運びたいとの事。まずは、「検査機関が基準を満たしているかを証明してください」と結構難しい難題を頂き、検査機関から基準レポートを頂き提出。また安全運航マニュアルの作成を併せて課題を頂きました。

検査機関基準適合レポート一部

前例を作るまで!!約1年半で小型船舶 船検承認。

検査機関の選定から検査開始、小型船舶検査機構様の承認を受けるまで約1年半の月日を経過しました。今の日本はどのような場合でも前例を作るのは大変難しいです。今回の件もいろいろな方々の助言や協力なくしてはここまで来れなかったと思っています。協力いただいたバスボート関係企業様、弊社をサポートしてくださるバス釣り業界の方々にこの場で改めて感謝申し上げます。また弊社としましても、今後前例が無い事例でも果敢にチャレンジしていきたいと思っております。

SE36700の背面にテスト合格認証ステッカー貼付
IEC62619国際安全規格証明ステッカー