船検対応バッテリーについての詳細

船検対応バッテリーについて、お問い合わせが多数ありますので、弊社現状の詳細と今後の展望を纏めてみましたので、参考にしてください。

現状船検対応とされるバッテリーについて

今までJCIが船検対応として認めてきた基準について下記の表に纏めてみました。

基準番号基準種類基準内容備考
IEC62619 組蓄電池安全基準
国際安全基準
組電池とBMS(基板)の安全基準JCIが対応と認める基準値の現最高位の基準
JIS C 8175-2 組畜電池安全基  準 
日本安全基準
組電池とBMS(基板)の安全基準JCIが対応と認める基準値の現最高位の基準
IEC62619 単電池安全基準
国際安全基準
単電池のみの安全基準電池のみの安全基準、現在は対応基準として認められている
IEC62133-2 単電池安全基準  国際安全基準単電池のみの安全基準電池のみの安全基準、現在は対応基準として認められている
UN38.3 国際輸送に求められる安全基準輸送時求められる基本的安全基準 法的拘束力無し 自己宣言この基準での船検対応は現在廃止されました。
JCI船検対応表

船検対応のバッテリー基準は流動的

上記表にあるように、船検対応バッテリーと一括りにしても、その対応基準は5種類の基準がございます。しかし、UN38.3で対応としていた基準は廃止され、現対応基準は4種類となっています。現在はこの基準では船検対応とはなりません。このように船検対応バッテリーの基準は流動的になっています。よって、現在は認められている基準でも、今後その基準が変わり非対応となる事も注意しなければいけません。

弊社が最高基準のIEC62619(バッテリーブロックとBMS)、JIS C 8175-2(バッテリーブロックとBMS)で対応取得する理由。

弊社がJCIに船検対応となる基準を上記表の2つの最高基準で申請する理由は、JCI本部担当者から、「最高基準であるこの2つの基準での申請は、今後基準廃止とはならない」という事を確認したからです。表にもあるように、対応基準とされていた基準が、その後、廃止された事実がある為、船検対応バッテリーがその後、非対応のバッテリーになる事を防ぎたいという事からの対応です。

JIS C 8715-2レポート
IEC62619レポート

また、バッテリー自体の安全性をテスト機関に認められることも重要と考えています。リチウムバッテリーは、皆さんもご存じのように「安全」なものではありません。その安全性を長い時間とコストをかけても、電池とBMS両方を試験して、第三者機関に認められる事が、とても重要な事と認識し、取得を続けています。

*下記表の基準番号とは上記表の基準番号となります。

種類SE1230SE12750SE121000SE15500SE151000SE151800SE24600SE24900SE36500SE36700
基準番号無し無し無し無し無し①、②
備考検査期間申請中(3月中旬頃)検査期間申請中(3月中旬頃)対応済み対応済み(現行ケース)対応済み(現行ケース)検査機関申請中(2月初旬頃)対応済み(1個前のケースから)
弊社バッテリー船検対応状況

今後の船検対応バッテリーについての所見

前述の通り、船検対応と言えども、幾つかの基準種類に分かれています。今後この船検対応がどのように推移するかは流動的です。しかし、昨年末PSE電気安全法が改正された通り、BMSの安全性が求められるようになったように、リチウムバッテリーの安全性にはBMSの性能基準は重要となります。リチウムバッテリーの動作はBMSで制御されます。それが規定されるという事は、過充電での事故(BMS制御不能)が多いという事です。そのような事からも、リチウム電池ブロック+BMSの安全性が必至となるのではないでしょうか?「船検対応とされているバッテリーが、どの基準で対応となっているかを確認されることも重要と考えます。

PSE電気安全法の審査基準改正

令和4年(2022年)12月28日より電気安全法が改正されました。今までの基準では足りなかった基準を補うために改正が行われました。大きな変更点は保護回路基準が定められていなかった別表第9基準を、国際規格に対応した別表第十二基準に1本化し、BMS性能の厳格化となったようです。

別表第十二基準とは!?国際規格IEC62619、日本規格JIS C 8715-2に準じる

別表第十二

弊社では、移動用として使用するリチウムバッテリーを先行してIEC62619/JIS C 8715-2を取得してまいりました。それは、リチウムバッテリーには重要な役割を果たすBMSを検査する項目があり、それをテストし認証を受ける事により、安心・安全につながる思いで各バッテリーで取得を続けてまいりました。また、この認証は船検対応出来るバッテリーとして高いランクで認められるため、取得を続けていますが、PSE電気安全法でもこの認証を基準値として改正されたとの事です。

個人輸入したリチウムバッテリーとは何が違うのか!?

最近よくこんなご質問を頂きます。

「個人輸入でリチウムバッテリーを購入する際、何に気を付ければ良いですか?」や、「個人輸入でリチウムバッテリーを購入したんですが、修理していただけますか?」などのご質問、弊社では状況に合わせ回答と対応はさせて頂いておりますが、個人輸入をお考えの方々は一番に「リスク」を考え熟慮してください。個人輸入で購入できるバッテリーと何が違うか!?それは即答しますが、日本でリチウムバッテリーを販売している企業は、「責任とリチウムバッテリーが社会に貢献しているという自負」これを持って事業を行わせて頂いているのです。全てとは言いませんが、個人輸入で購入できるバッテリーを販売している企業の中には、「責任と自負」が無い企業が存在する事も事実です。

バッテリーの組み立て方と使用される部材の違い

最初に提示した画像3種類がEVOTECバッテリーブロック、この画像3つは個人輸入で購入されたバッテリーブロックとなります。まずシルバーのガムテープ状のものに包まれていた電池ブロックを開けてみると、雑に溶接されたニッケルと、雑に接続されているBMS配線が露わとなります。ニッケル部分が錆びている事が分かると思いますが、錆びたニッケルは抵抗が増える事と、ニッケルが切れやすくなってしまい、溶接が取れてしまう危険性があります。錆対策されたニッケルも使用されていない事が明らかです。その他ニッケルはバッテリーのピーク電流値を考慮して選択されなければいけません。厚さ、太さで対応電流値が異なるのです。

BMS配線も危険です。このBMS配線は、ブロック毎に分かれている電池の情報をBMSに収集する配線です。電池ブロック+に接続される配線、電池ブロック-に接続される配線等に分かれます。よってこの配線が外れ触れ合う事があれば、ショートしてしまう事は必然です。

バッテリーを安全に使用してもらう為の責任

弊社ではバッテリーを安全に使用して頂く為に、ディープサイクルバッテリー全てPSE適合検査を行い、自主検査して出荷しております。これを「PSE認証」と言って表現している業者がいますが、これは誤認です。PSEは経済産業省に認証してもらうものでは無く、自社で電気安全法に則り、適合検査を行い、自主検査を行って販売する、自社責任で行うものです。よって大手インターネットモール等で「PSE認証」と謡っている企業のバッテリーは上記定められている行為を行っていない事が判断できます。

弊社ではディープサイクルバッテリー全て電気安全法に則り、適合検査を受けております。また船検対応を目的に取得したIEC62619の安全規格ですが、これは移動体に使用されるリチウムバッテリーの安全規格となり、初めてBMSの性能基準を設けた規格という事もあるので、なるべく多くの弊社バッテリーも取得しようと努めています。現在は3種類の弊社バッテリーがIEC62619認証されています。(これは国際電気標準会議に認められる規格です。)

バッテリー以外にも気を付けなければいけない個人輸入!!それは充電器!!

これまでリチウムバッテリーについてお話しさせて頂きましたが、このリチウムバッテリーを充電する為の充電器がとても大事になります!!今回は割愛させていただきます。次回にでもお話させていただきます。

贅沢!!魚探用超大容量バッテリーテスト開始

魚探用大容量バッテリーSE151800

近年リリースされる魚探等の電動器具は、消費電力が大きくなっているために、電源供給側でもあるバッテリーには大きな負荷がかかるようになってきています。弊社現行品の魚探用バッテリーSE151000(15V100Ah)でも、容量不足を心配される方が増えて、お問い合わせも多くなってきています。

大容量電池に対応するためにオリジナルケースを制作

大容量電池に対応するために設計された新ケースに搭載しています。これは、弊社のSE36700(36V70A)、SE24900(24V90A)にも採用しているケースですが、バッテリー内の配線の取り回し、BMSの接続位置、充放電時の電池熱の放熱等の地味ですが、バッテリーをより長く使用してもらう為に工夫を加えたケースとなっています。

15V大容量のメリット

15Vバッテリーの電圧範囲は12V~16.8Vです。ほとんどの魚探作動電圧内の為、電圧を気にせずご使用いただけます。また12Vよりも電圧が高いため、消費される電流値を下げられる為に、12Vバッテリーの同容量よりも、より長くご使用いただけます。また、なんと言っても軽いです。15V180Ahで「15.8kg」です。また、大きな電力を保持するバッテリーですので、数台の魚探を接続してご使用いただいても、全然容量が減らず「深放電」状態にならないので、電池負荷が少なく済みます。毎回の充電もいらなく、続けてご使用いただけると思います。

発売は未定ですが、発売を念頭に置いてテストを開始します。

新たにリチウム蓄電池世界安全規格 IEC62619を取得!!SE36700(36V70Ah)に加えSE24900(24V90Ah)とSE24600(24V60Ah)が新たに取得!!

弊社36Vバッテリーが日本初小型船舶船検承認された時の条件は、IEC62619というリチウム蓄電池の安全性を求める規格認証を小型船舶検査機構様に求められていました。この規格はそれまでのリチウム蓄電池の安全性を求める規格とは一線を画す規格となっています。なので承認されるまでに長い時間を費やしました。このIEC62619は他の安全規格と何が違うのでしょうか?

IEC62619-SE24900
IEC62619-SE24600

仕様想定が多岐にわたるようになったリチウム蓄電池!!内臓されるソフトウェアーの評価基準を追加した規格 IEC62619。

多岐、多様に使用されるようになったリチウム蓄電池。その多くの安全性を求める規格では、熱試験、通電試験、機械試験など電池の外部から受ける影響を想定した試験のみでした。そこで、今の蓄電池の心臓とも言えるソフトウェアー(BMS)の評価試験を加えたのがIEC62619となります。その他17種類の検査も求められています。

現在、小型船舶船検に求められるバッテリー評価基準の宣言、規格種類

◆UN38.3 リチウム電池の国際輸送に際し、求められる安全規格。スタンダードな規格です。しかし、法的拘束力はもちません。自己宣言となるものです。(現在の日本の小型船舶検査機構で使用条件が限定されて船検が通るバッテリーには求められる条件となっています。)

◆IEC62133-2 12項目の検査基準が設けられています。過充電、過熱、衝撃等のやはり外部要因からの耐久性を求められる検査が基準です。

より高い安全性検査を通過して承認を受けるEVOTECバッテリー

IEC Specification

上述の通り、より高い安全性を求める規格を取得ているEVOTECバッテリー。弊社が販売を開始して数年が経過しました。他社からも数多くのリチウムバッテリーが販売されるようになってきて、世間にもリチウムバッテリーが認知されるようになってきました。その多くのリチウムバッテリーとは一線を画す高い認証を取得し、高性能、安全性の高いリチウムバッテリーをご提供していきたいと考えております。

船検対応バッテリーの詳細 ~続き~

弊社が船検対応として承認をされた「SE36700Ver2」、承認を受けるにはIEC62619:2017という移動体使用リチウム電池バッテリーの安全性を求める承認が必要という高い壁がありました。弊社ではこの規格の承認を受けtる為、かなり長い時間を要し取得しこの規格の認証をSE36700Ver2で受けました。但しその後に船検条件認証!?となるものが設定されたらしく、弊社ではその本意を小型船舶検査機構様にお伺いしました。

条件承認!?というあいまいな文言の意味。

小型船舶検査機構様によると、弊社がSE36700Ver2でIEC62619を取得し、日本初リチウムバッテリー船検対応を発表した後、問い合わせが殺到したという事らしい。それと同時に、小型船舶検査機構内でも委員会を設置し、今までしっかりとした蓄電池の承認制度、認証制度が確立していなかった事から、幾つかの方向性を決めたという事でした。

今回の条件承認について

今回のこの決定では、「承認」や「認証」という表現は避けてほしいという注文を頂きました。確かに弊社でもSE36700Ver2(36Vバッテリー)以外のバッテリーをこの条件認証取得の為、小型船舶検査機構に資料を提出しましたが、求められた書類は、商品それぞれのUN38.3認証書類とバッテリーそれぞれの電圧・容量等のみでした。UN38.3という規格は別にリチウムバッテリーの安全性をテストする内容ではありません。航空機や船舶で輸送する際の安全性をメーカーが独自に承認会社等に評価検査を行い、そのレポートを取得・管理する物です。リチウムバッテリーを販売するメーカーとしては初期の初期段階の評価検査です。弊社がSE36700Ver2で取得した、国際安全規格 IEC62619:2017とは比べ物にならない簡単な評価検査となります。何故このような簡単な評価を基準にしたのかという本意は分かりませんが、前述したとおり、「承認」・「認証」という文言は控えてほしいという事や、充電は船外で行う事、エレキや魚探以外には使用を認めないという事から、使用する側(ユーザー様)に責任と行動を求めている内容だという事は明白です。今回の条件付きで認められるバッテリーについては、「使用可能なものとしての確認できるバッテリー」という文言らしいです。

今後の小型船舶によるリチウムバッテリー承認の流れ

今後の小型船舶に搭載するリチウムバッテリーには幾つかのカテゴリーを設けるようになってくる事が想定できます。(小型船舶検査機構様とのやり取りから推測される事)

カテゴリー1 充電は船外、使用する機材は限定。

カテゴリー2 充電は船内でも行える。

カテゴリー3 メインエンジンに使用する事や、メイン動力にリチウム蓄電池を使用する等多種多様な機器に電源と使用できる。

このように使用する機器の限定や船内充電の有無などで認められるバッテリーが異なってくる事が想定されます。

弊社バッテリーの船検に対応する為の今後の展望

弊社でもSE36700Ver2以外の現行ディープサイクルバッテリー全商品が「船検時に使用可能なバッテリー」となりました。但しそれはより高い安全性を認められた事とは違います。そこで、それとは別にSE36700Ver2に加え、SE24900、SE24600Ver2の2機種バッテリーのIEC62619:2017の承認取得に向けて評価検査を受けています。これはかなり高い安全性を求めている規格となります。弊社では順次この安全規格を取得し、今後増えてくるであろう上位カテゴリー対応できるバッテリーをご提供できるように準備させて頂きます。

船検対応バッテリーについての詳細

弊社が日本で初めて船検対応バッテリーとして認められてから約3か月が経過し、他社でも船検対応とうたうバッテリーが登場する等、リチウムバッテリーの使用環境に変化がみられるようになりました。そこで現状を確認するにあたり、現在の小型船舶検査機構での船検対応となるリチウムバッテリーの条件を本日(2022年5月9日)に再確認致しました。

自己申告!?に近い内容で、条件承認!!

弊社が初めて認証を受けるときの内容とは大きく変わっていました。変わった理由は条件承認という内容が加わったとの事でした。リチウムバッテリーの普及から船舶に搭載されるケースも増える中、ある程度の門戸を広げる為に「条件承認」という枠を設定したとの事でした。

「条件承認とは……..」

条件承認とは弊社が初めて船舶検査機構に問い合わせをした時(約2年弱前)は、IEC62619という世界安全基準規格が必要で、これを取得する事で初めて承認の舞台に上がれるということでした。しかし、これを取得するには検査基準から費用面までかなり難しい事とになります。

小型船舶検査機構様も現時点でIEC62619の検査証明書を提出しているのは、「エヴォルテックジャパン」のみという事でした。そこで新たに設定された条件認証とは以下の通りになるようです。バッテリーの商品写真、公称電圧、公称電力、公称容量、質量等を自己申告して小型船舶機構の承認を受けると下記の条件で船検承認バッテリーとなるようです。以前と比べて比較ならないほど、承認の壁が低くなりました。

1)エレキモーターのみに使用。 2)船舶内での充電は不可。必ず船外での充電という制限。                3)ヒルジポンプにも使用不可。このような条件で制限されるのが、「条件承認」という概要との事です。

弊社が目指すのは完全認証!!

弊社では、この門戸が広がった「条件承認」はすぐにでも承認は受けようと思います。しかし、国際安全規格IEC62619は、移動体用途を目的にリチウムバッテリーを安全に使用する必要不可欠な検査が行われています。この観点から弊社では、現在は24V90Ahと60AhのIEC62619取得に向けて検査機関にバッテリーを提出し、検査を受けています。