バッテリー充電検証 LiFePO4(リフェ)36V

いろいろバッテリーを充電できるEVOTEC MULTI CHARGER。36VはEVOTECのNMCリチウムとLiFePO4(リフェ)のバッテリーが充電可能です。しかし、この異なるマテリアルを使用しているバッテリーは、最大充電電圧が異なります。NMC(EVOTEC)の最大電圧が、42.0V、LiFePO4(リフェ)が、43.8Vとなります。(この場合の36Vは、NMCが10直列、LiFePO4が12直列を指します。)弊社のMULTI CHARGERは、NMCの最大電圧42.0Vに合わせています。ここで、一つ疑問が発生します。最大電圧が1.8V高いLiFePO4(リフェ)36Vを42.0Vの電圧で満充電できるのか!?という疑問です。

LiFePO4(リフェ)の充電電圧と充電容量の特性がカギ!!

この疑問の答えから言いますと、満充電が可能です。何故かと言いますと、LIFePO4(リフェ)の充電電圧と容量の特性が関係します。

LiFePO4(リフェ)36Vは、充電電圧が39.0V付近までは、殆ど充電されていませんが、40Vから42Vのこの2Vの電圧範囲で、大半の充電を行います。その後も殆ど充電容量は上がらず、43.8Vの最大電圧まで終了します。

EVOTEC MULTI CHARGERの充電アルゴリズムが、満充電に貢献!!

41.5Vから42.0V電流値を小さくしながら、バランスよく流し込む方式です。これにより、LiFePO4(リフェ)の36Vバッテリーも満充電が可能となります。

LiFePO4(リフェ)専用充電器で終了後の放電テストとEVOTEC MULTI CHARGERでの充電終了後の放電テスト比較結果!!

LiFePO4の充電器で充電終了後、放電テストした結果です。43.7579Vまで充電終了後に、放電テストした結果が、61.341Ahとなりました。

EVOTEC MULTI CHARGERで42.0Vで充電終了し、41.7853Vから放電を開始しました。放電容量は61.348Ahでした。LiFePO4(リフェ)充電器よりも、若干ながら多く放電できました。この結果から、EVOTEC MULTI CHARGERでLiFePO4(リフェ)バッテリーを満充電できることが分かると思います。

船検対応バッテリーについての詳細

船検対応バッテリーについて、お問い合わせが多数ありますので、弊社現状の詳細と今後の展望を纏めてみましたので、参考にしてください。

現状船検対応とされるバッテリーについて

今までJCIが船検対応として認めてきた基準について下記の表に纏めてみました。

基準番号基準種類基準内容備考
IEC62619 組蓄電池安全基準
国際安全基準
組電池とBMS(基板)の安全基準JCIが対応と認める基準値の現最高位の基準
JIS C 8175-2 組畜電池安全基  準 
日本安全基準
組電池とBMS(基板)の安全基準JCIが対応と認める基準値の現最高位の基準
IEC62619 単電池安全基準
国際安全基準
単電池のみの安全基準電池のみの安全基準、現在は対応基準として認められている
IEC62133-2 単電池安全基準  国際安全基準単電池のみの安全基準電池のみの安全基準、現在は対応基準として認められている
UN38.3 国際輸送に求められる安全基準輸送時求められる基本的安全基準 法的拘束力無し 自己宣言この基準での船検対応は現在廃止されました。
JCI船検対応表

船検対応のバッテリー基準は流動的

上記表にあるように、船検対応バッテリーと一括りにしても、その対応基準は5種類の基準がございます。しかし、UN38.3で対応としていた基準は廃止され、現対応基準は4種類となっています。現在はこの基準では船検対応とはなりません。このように船検対応バッテリーの基準は流動的になっています。よって、現在は認められている基準でも、今後その基準が変わり非対応となる事も注意しなければいけません。

弊社が最高基準のIEC62619(バッテリーブロックとBMS)、JIS C 8175-2(バッテリーブロックとBMS)で対応取得する理由。

弊社がJCIに船検対応となる基準を上記表の2つの最高基準で申請する理由は、JCI本部担当者から、「最高基準であるこの2つの基準での申請は、今後基準廃止とはならない」という事を確認したからです。表にもあるように、対応基準とされていた基準が、その後、廃止された事実がある為、船検対応バッテリーがその後、非対応のバッテリーになる事を防ぎたいという事からの対応です。

JIS C 8715-2レポート
IEC62619レポート

また、バッテリー自体の安全性をテスト機関に認められることも重要と考えています。リチウムバッテリーは、皆さんもご存じのように「安全」なものではありません。その安全性を長い時間とコストをかけても、電池とBMS両方を試験して、第三者機関に認められる事が、とても重要な事と認識し、取得を続けています。

*下記表の基準番号とは上記表の基準番号となります。

種類SE1230SE12750SE121000SE15500SE151000SE151800SE24600SE24900SE36500SE36700
基準番号無し無し無し無し無し①、②
備考検査期間申請中(3月中旬頃)検査期間申請中(3月中旬頃)対応済み対応済み(現行ケース)対応済み(現行ケース)検査機関申請中(2月初旬頃)対応済み(1個前のケースから)
弊社バッテリー船検対応状況

今後の船検対応バッテリーについての所見

前述の通り、船検対応と言えども、幾つかの基準種類に分かれています。今後この船検対応がどのように推移するかは流動的です。しかし、昨年末PSE電気安全法が改正された通り、BMSの安全性が求められるようになったように、リチウムバッテリーの安全性にはBMSの性能基準は重要となります。リチウムバッテリーの動作はBMSで制御されます。それが規定されるという事は、過充電での事故(BMS制御不能)が多いという事です。そのような事からも、リチウム電池ブロック+BMSの安全性が必至となるのではないでしょうか?「船検対応とされているバッテリーが、どの基準で対応となっているかを確認されることも重要と考えます。

PSE電気安全法の審査基準改正

令和4年(2022年)12月28日より電気安全法が改正されました。今までの基準では足りなかった基準を補うために改正が行われました。大きな変更点は保護回路基準が定められていなかった別表第9基準を、国際規格に対応した別表第十二基準に1本化し、BMS性能の厳格化となったようです。

別表第十二基準とは!?国際規格IEC62619、日本規格JIS C 8715-2に準じる

別表第十二

弊社では、移動用として使用するリチウムバッテリーを先行してIEC62619/JIS C 8715-2を取得してまいりました。それは、リチウムバッテリーには重要な役割を果たすBMSを検査する項目があり、それをテストし認証を受ける事により、安心・安全につながる思いで各バッテリーで取得を続けてまいりました。また、この認証は船検対応出来るバッテリーとして高いランクで認められるため、取得を続けていますが、PSE電気安全法でもこの認証を基準値として改正されたとの事です。