バッテリーをメンテナンスする!!

リチウムバッテリーが止まってしまう原因の多くは、バッテリー電池の電圧アンバランスにより、過放電保護装置が作動が起因となります。それでは、アンバランスになってしまったバッテリーは使用できなくなってしまうのでしょうか?

電池のアンバランスの原因が電池の寿命場合は、その電池を取り除く、人で言う外科的手術が必要となります。しかし、電池の寿命では無くアンバランスを起こす事があります。その場合は、手術までは必要なく、検査・調整である程度アンバランスを解消し、使用できるようになります。

アンバランスは何故起きる?

リチウムバッテリーは、幾つかのブロックで構成されています。その電圧が高くなればなるほど、ブロック数は多くなります。弊社の場合、12V(3ブロック)、24V(7ブロック)、36V(10ブロック)となります。このブロック毎の電圧差異が大きければ大きいほど、バッテリーの容量は低下します。

電池は放電が大きい(電池の電圧低下)ほど、電池ブロック毎の電圧差異が大きくなります。その差異を大きくしないようにするには、深放電使用をしない事が大事となります。

例えば、このバッテリー。3年間使用したバッテリーの各ブロック電圧を測定した結果です。NO4ブロックの電池が大きく電圧を低下させています。このブロックNO4が、放電時には一早く過放電保護機能作動電圧に達し、また充電時には、その他の電池ブロックが過充電保護電圧まで達し、充電器を止める事になります。これにより容量低下となっている状態です。この方は、深放電(容量を使い切ってしまう程)での使用回数が多く、電池のバランスを大きくしてしまったようです。

バランス調整器で各ブロック電圧を均一に調整。

弊社のバランス調整器で、電圧を調整した時の電池ブロック毎の電圧です。大きく異なっていたブロック電圧差異を0.010Vまで調整。これでバッテリーブロック電圧は均一とはなりましたが、これで正常に使用できるとは限りません。充放電テスト行い、放電時でどこまで電圧差が広がり、充電時でどこまで電圧差を小さくできるかの確認を行わなければ行けません。また、3年間使用していた電池です。全ての電池が新品同様といきません。

新アイテムを導入

弊社では各ブロック電圧差を維持調整を出来るように、新アイテムを導入してバッテリーのメンテナンスを行っています。これは、設定した範囲内で各ブロック電圧を監視し、電池ブロック電圧差異を自動で調整するものです。

左が放電時のデータ。右が充電終了後の電圧データとなります。放電時には電池ブロック毎の電圧差(Cell Volt.Diff:)0.424Vだったものが、充電完了時には電圧差は(Cell Volt.Diff:)0.010Vとなっています。これで、大きく容量を低下させたバッテリーは、62Ah程の容量を使用できるバッテリーとして蘇りました。