3年ほど使用した弊社バッテリーSE24600(24V60Ah)。使用中にバッテリーが作動を停止し、バッテリー診断を受けたバッテリーです。
バッテリーが作動停止する主な原因には、①過放電保護装置が作動しバッテリーが停止する。②過電流保護装置が作動する。③BMSの故障。などがあります。そこで電池のバランス状況を確認します。
24Vバッテリーは7ブロックで構成されています。一番電圧の高い6ブロック4.076V、一番低い3ブロックが3.608Vで、この高低差が0.468Vあります。この高低差が原因で、充電を行っても満充電とならず、充電を行ってもバッテリー容量を十分に引き出せず、バッテリーが停止してしまうのです。
そこで専用の機器でバランス調整を行います。0.468Vあった高低差を0.003Vまで縮める事が出来ました。しかし、これだけではバッテリーが問題無く動くかは保証できません。何故なら電池が弱っていたならば、高負荷をかけた状態にすると、どこかのブロックが著しく電圧を下げ、0.003Vまで少なくなった高低差が再び大きな差となり、またバランスが崩れてしまうからです。
そこで大きな負荷をかけて各バランスの状況を確認します。高負荷測定器とバランス確認スコープを組み合わせて確認します。
40A放電を続け、約半分の容量に達した時の状況です。この時のブロック高低差は0.033Vとなりました。バランス調整直後から0.03V程増えていますが、この差は放電時には容認できる電圧差です。
放電容量は53.406Ah。40Ahの連続放電の高負荷で53.4Ahの容量を測定できたことは、電池に大きな問題が無かった事を示します。しかし、1回では確定できませんので数回これを繰り返します。また、放電後も検査機が停止しなかったことは、放電時には大きなブロック電圧差異が無かった事を示しています。次には充電を行い、各ブロックの電圧差を確認します。
充電が終了後の各ブロックの電圧状況です。一番高いブロック5が4.173V。一番低いブロック3が4.165V。ブロック高低差が0.008Vとなりました。無事に充電を終了し、99%の容量まで充電が出来ました。確実な診断結果を得る為、数回これを繰り返します。
ブロック毎の電圧を整える重要性!!
最近弊社以外のバッテリーの修理依頼を受ける事があります。そのほとんどがブロック毎の電圧差による不動が原因です。その場合修理が可能なケースがあります。またBMS故障の場合も修理が可能です。「修理不可」と判断を受けたというケースで、今回紹介したバランス調整で直ったケースもございます。諦めるのは早いかもしれません!!。