小型蓄電バッテリーの開発
ご意見を頂いた事がきっかけで製作に取り掛かりました。
どんな意見を頂いたかというと、「魚探用に鉛バッテリーを使用していますが、直ぐに容量が低下して使えなくなるんです!!」というご意見でした。これは、鉛バッテリーの特性によるものです。
以前、鉛バッテリーについて掘り下げましたが、どうしても鉛バッテリーは放電深度が深まると酸化してしまい容量低下を招きます。
ディープサイクルバッテリーはまだましですが、バイク用の鉛バッテリーをご使用されている方は直ぐに容量低下をおこし、使用できなくなります。これは鉛バッテリーを使用している場合はどうしようもない事です。
ましてや魚探用のバッテリーの場合、20Ahや30Ahのバッテリーを使用している場合が多いようです。魚探一台の使用電流が3Aだとしたら、約10時間ほどで容量が無くなって、放電深度は100%となり電気が全く残ってない状態となります。
これでは、毎回の釣行でバッテリーにダメージを与えに行くようなものです。
そこで今回は30Ahのリチウム蓄電バッテリーを作成しました。
容量測定結果
今回開発した蓄電バッテリーの生命線は、やはり容量です。
鉛バッテリーやドライバッテリーはよく20時間容率などで容量を表記していますが、今回容量測定テストは30Ahの容量に対して、10Aの放電テストを行った結果となります。容率時間でいうと3時間容率となり、20時間容率よりも厳しいテストなります。
それでも結果は30Ah以上という容量測定結果となっています。
このバッテリーは弊社で販売している、SE121000やSE12750の小型版となっています。
過充電保護機能、過放電保護機能ももちろん備わっています。
8.8V付近で過放電保護装置が働く事により、バッテリーの過放電を保護してくれます。
また、放電電流値もこの小型バッテリーにしては大きい50Aまで対応しています。開発は魚探用として、3Aほどの使用電流値を想定していますが、多様使用が可能なようにBMSを設定しています。
いろいろな使用方法に対応が出来るバッテリーとなっています。
また重量も2553g(約2.5kg)です。
持ち歩くにも大変便利なバッテリーとなっています。
*エレキモーターような最大負荷電流値が50Aほど使用される電化製品へのご使用はお控え下さい。
理論上は使用できることになりますが、リチウム電池の場合、1C以上の放電電流(30Ahのバッテリー場合は30Aの放電電流)でのご使用はリチウム電池に大きな負荷を与えます。
1Cを超える電化製品への使用はお控え下さい。
バッテリー構成について
◆端子(ターミナルについて)
このバッテリーの端子はM6のメスになっています。
魚探等でご使用いただく方はM6M8変換ボルトがありますので、それをご使用いただくと便利です。
また車用の端子を装着する事も可能です。ワニ口クリップ等でバッテリーに接続される方はこちらがお勧めです。
◆充電器について
弊社のリチウムディープサイクルバッテリーのSE-12750、SE-121000をご使用の方は、充電器を改めて購入する事は不要です。
お使いの充電器でご使用できます。SE1230を過放電保護装置作動まで使用し、満充電までの充電時間は2時間15分程です。
◆インジケーターについて
弊社インジケーターSE207-BI、EV209-BIインジケーター両方ともご使用いただけます。