弊社3年保証の内容 1例の紹介 SE121000保証修理

3年ほど使用した12V100Ahバッテリーの不具合

弊社SE-121000を3年ほど使用されたユーザー様から、充電しても直ぐにストップしてしまうとご連絡を頂き、バッテリーを検査する事になりました。このバッテリーは弊社の12Vバッテリーで容量は100Ahです。このバッテリーは3ブロックに分かれています。このブロックごとの検査が必要です。1ブロックが4,2V(最大)100Ahを3つに分けてそれぞれ計測器で測定しました。

ブロック毎の状況を把握

ブロック1ブロック2ブロック3
89.2Ah96.8Ah91.2Ah
それぞれのブロック容量

それぞれの容量測定は上記の通りです。ブロック1とブロック3に若干元気が無い電池が存在するようです。その電池がブロック全体の電池容量の足かせとなっています。その電池を探し出すことが必要です。

電池ブロック放電時状況予想

この状況で放電を開始すると、ブロック1がいち早く過放電安全装置作動電圧に達し、バッテリーがストップします。

電池ブロック充電時状況予想

今度は充電です。上記の放電(青い)状況から充電を開始すると、ブロック2がいち早く、今度は過充電保護装置作動電圧に達し、充電がストップしてしまいます。

内部抵抗値が上がった電池を見つけ出す!!

電池を1本1本測定器で調べます。1ブロック40本の電池で構成。合計で80本の電池を測定します。

ブロック1
ブロック2

これがブロック1とブロック2を測定した結果です。それぞれ放電時に急激に放物線が下がっている線があるのが分かりますでしょうか?この電池が特に良くありません。このように電池を1本ずつ測定する事で、弱っている電池を探し出すことが出来ます。

バランスの悪い電池を取り除き、この電池ブロックに合っている電池装着

バランスの悪い電池を取り除きますが、その代わりの電池を組み込まなければなりません。しかし、新品の電池を組み込めば良いというものではありません。この充放電曲線に合っている電池を探し出し、組み込まなければいけません。

ブロック1ブロック2ブロック3
97.8Ah96.8Ah97.5Ah
リプレイス後のブロック毎容量
リプレイス後の容量バランス

リプレイス後の電池バランスは上記の通り、このリプレイスされた電池はどれぐらいの容量を抽出できるのでしょうか?

電池を高負荷テストを行いながら、バッテリーの容量を測定。

リプレイス電池は電池の状況を把握する事が大事です。高負荷をかけて、弱ってきている電池はこの高負荷に耐え切れず、容量抽出の新たな足かせとなります。これを見逃すと、同じ状況に再度なってしまう可能性が大となります。80Aの消費電流値を設定し、放電し続けます。80Aの放電電流値を1時間以上放電し続けるテストの開始です。

80A放電の高負荷テスト

修理終了

バッテリーは97Ah以上の容量を保持するようになりました。リチウムバッテリーの特性と知識で、皆様になるべく長く、安全にリチウムバッテリーを御使用頂けるよう、努力を続けます。

新たにリチウム蓄電池世界安全規格 IEC62619を取得!!SE36700(36V70Ah)に加えSE24900(24V90Ah)とSE24600(24V60Ah)が新たに取得!!

弊社36Vバッテリーが日本初小型船舶船検承認された時の条件は、IEC62619というリチウム蓄電池の安全性を求める規格認証を小型船舶検査機構様に求められていました。この規格はそれまでのリチウム蓄電池の安全性を求める規格とは一線を画す規格となっています。なので承認されるまでに長い時間を費やしました。このIEC62619は他の安全規格と何が違うのでしょうか?

IEC62619-SE24900
IEC62619-SE24600

仕様想定が多岐にわたるようになったリチウム蓄電池!!内臓されるソフトウェアーの評価基準を追加した規格 IEC62619。

多岐、多様に使用されるようになったリチウム蓄電池。その多くの安全性を求める規格では、熱試験、通電試験、機械試験など電池の外部から受ける影響を想定した試験のみでした。そこで、今の蓄電池の心臓とも言えるソフトウェアー(BMS)の評価試験を加えたのがIEC62619となります。その他17種類の検査も求められています。

現在、小型船舶船検に求められるバッテリー評価基準の宣言、規格種類

◆UN38.3 リチウム電池の国際輸送に際し、求められる安全規格。スタンダードな規格です。しかし、法的拘束力はもちません。自己宣言となるものです。(現在の日本の小型船舶検査機構で使用条件が限定されて船検が通るバッテリーには求められる条件となっています。)

◆IEC62133-2 12項目の検査基準が設けられています。過充電、過熱、衝撃等のやはり外部要因からの耐久性を求められる検査が基準です。

より高い安全性検査を通過して承認を受けるEVOTECバッテリー

IEC Specification

上述の通り、より高い安全性を求める規格を取得ているEVOTECバッテリー。弊社が販売を開始して数年が経過しました。他社からも数多くのリチウムバッテリーが販売されるようになってきて、世間にもリチウムバッテリーが認知されるようになってきました。その多くのリチウムバッテリーとは一線を画す高い認証を取得し、高性能、安全性の高いリチウムバッテリーをご提供していきたいと考えております。

充電器の重要性 – AC100Vという低電圧 日本-

皆さんんが電化製品をご使用する場合に繋ぐAC電源、その主に使用する電源電圧は日本の場合は主に単相100Vとなります。この単相100Vという交流電源の電圧は高いのでしょうか?他の国々はどのような電源電圧となっているのでしょうか?

単相電圧(主)周波数
日本 単相 100V50/60Hz
アメリカ単相 115V60Hz
韓国単相 220V60Hz
中国単相 220V50Hz
台湾単相 110V60Hz
ドイツ単相 230V50Hz
イギリス単相 230V50Hz
国及び都市で上記以外の電圧が使用されている場合があります。

日本のAC電源は何故 単相100V!?、異なる周波数は何故なのか?

日本が電気を本格的に使用始めた時は、関西がアメリカ製の発電所110V/60Hzで関東がドイツ製の発電所100V/50Hzだったらしい。当時は電気使用=電球点灯だったことから、高い電圧では無く、低い電圧の方が好都合だったとの事。それから時は流れいろいろな電化製品が世の中を席巻する中、諸外国はどんどん電圧を高くし電化製品に対応していく。しかし日本はそのままの100Vで変化なく今に至っている。周波数も昔のままで、静岡県のとある地域で東西に分かれて周波数も異なるままになっています。

100V電源のデメリット!!デメリットでしかない低電圧

100Vという電圧で、他の国からみても電圧が低いから安全という訳ではございません。むしろデメリットでしかないのです。小さい電力が動力の機器使用であれば、あまり関係の無い低電圧電源ですが、電気ポットやドライヤー、電子レンジやリチウムバッテリー用充電器のような300W以上の電力が必要な機器使用時は大きなデメリットとなります。例えば1000Wの電力が必要とする機器の場合、日本の100V電源の場合は、電流10Aとなります。しかし、220Vの中国や韓国の場合は、4.5Aほどとなります。電流値が半分以下となるのです。「送電損失は電流の2乗に比例する」と言われています。電流値を小さくすることで、送電損失(抵抗)を少なくできるのです。

リチウムバッテリー用充電器に及ぼす影響

弊社のリチウムバッテリー用充電器は、12V用で250W、24Vや36V充電器では450W程の電力を必要とします。100V電源で使用しますので3~5Aの電流値が必要となります。ある程度の電流値が必要な場合、抵抗値も上がってきます。部品構成が多い充電器の場合は、その抵抗値が熱となって表れてきます。電源元の電圧の低い日本の場合は、充電器構成部品に対する負荷が大きくなってしまいます。

日本仕様充電器開発の高い壁

海外の充電器メーカーに日本向けに開発を依頼しても首を縦に振ってくれません。何故でしょう?それは前述したとおり、100Vという低電圧による充電器の部品損傷を危惧している事は明白で、弊社では台湾の充電器メーカーに依頼しましたが、台湾では110Vと日本以外の国と比べても低いAC電源電圧となっている為、デメリットを百も承知なのです。そこで自国台湾よりも低い電圧の日本に限られた台数の充電器を開発するよりも、EU(欧州連合)のほとんど統一された230Vの高電圧で安定電流、また多くの人口用に開発した方がメリット大となります。

日本独自の電気用品安全法(PSE 特定電気用品)の高い壁

海外の充電器メーカーが開発に難色を示すもう一つの大きな理由は、日本独自の電気用品安全法に沿っての開発を依頼したからです。直流電源装置となるリチウム用充電器は、特定電気用品にあたります。特定電気用品となる充電器の場合は、基準適合確認+適合性検査を行わなければなりません。そこで多くの海外充電器メーカーは日本向けの開発はコストがかかる為(日本の低電圧配電を配慮しなければいけない)前向きにはなりません。

PSE電気安全法の流れ 経済産業省HPから抜粋

特定電気用品の充電器は基準適合確認を行わなければいけません。輸入充電器の場合は、IEC等の国際規格基準をベースとして、日本独自の配電事情を踏まえたデビエーションが付加した別表第十二に規定されている内容を満たさなければいけません。日本独自の配電事情とは、100Vの低電圧と地域による周波数の違いが加味されている事は間違いございません。

基準の適合確認を行った後、今度は部品構成の適合性検査が義務付けされています。適合性検査では、日本に認められた検査機関で検査を行われなければいけません。選択する検査機関によっては、生産工場がある国や地域に検査員を派遣しなければいけない為、大きなコストとなります。

弊社のPSEへの取り組みについて

日本のPSE(電気安全法)には、特定電気用品以外の電気用品と特定電気用品と2つに分かれます。特定電気用品以外の電気用品にあたるリチウムイオンバッテリーは、基準適合確認を義務付け、特定電気用品にあたる充電器に関しては、基準適合確認+適合性検査が義務付けられています。弊社ではリチウム電池等のエネルギーソリューションを担う、合同会社エンヴィジョン様協力を得て検査、確認を実施しております。

特定電気用品以外の電気用品 基準適合確認証明書


特定電気用品 適合性検査

適合性検査実施検査機関ETC(日本国認定)

特定電気用品適合性検査証明

PSE(電気安全法)に各販売会社の取り組みについて

WEBでの販売を含め多岐にわたるチャネルでリチウムバッテリーが数多く販売されてきています。多くのメーカーが販売されてその分情報も多くなってきています。多分ユーザーの方々も何を主眼としてリチウムバッテリーを購入選択にすれば良いのか悩まれると思います。一つ参考までに挙げさせていただきます。

今回のブログで100V電源で使用する充電器のリスクをお話しさせて頂きました。そのリスクを回避するには低電圧の使用を前提としたPSE適合性検査を受けている充電器の選択しかありません。

有名通販サイト 充電器商品説明

この通販商品の充電器はPSE特定電気用品の適合性検査を受けているのでしょうか?答えはNOです。おそらく受けていない。もしくはPSE承知していない事が明白です。PSEは認証してもらうわけではないのです。認証と明記している時点でPSEを知らないという事なのです。基準適合確認、適合性検査も全て自ら準備し、国が認めた検査会社に依頼し、検査証明を保管し、販売時の検査も保管する事なのです。経済産業省に認証されるものではありません。

船検対応バッテリーの詳細 ~続き~

弊社が船検対応として承認をされた「SE36700Ver2」、承認を受けるにはIEC62619:2017という移動体使用リチウム電池バッテリーの安全性を求める承認が必要という高い壁がありました。弊社ではこの規格の承認を受けtる為、かなり長い時間を要し取得しこの規格の認証をSE36700Ver2で受けました。但しその後に船検条件認証!?となるものが設定されたらしく、弊社ではその本意を小型船舶検査機構様にお伺いしました。

条件承認!?というあいまいな文言の意味。

小型船舶検査機構様によると、弊社がSE36700Ver2でIEC62619を取得し、日本初リチウムバッテリー船検対応を発表した後、問い合わせが殺到したという事らしい。それと同時に、小型船舶検査機構内でも委員会を設置し、今までしっかりとした蓄電池の承認制度、認証制度が確立していなかった事から、幾つかの方向性を決めたという事でした。

今回の条件承認について

今回のこの決定では、「承認」や「認証」という表現は避けてほしいという注文を頂きました。確かに弊社でもSE36700Ver2(36Vバッテリー)以外のバッテリーをこの条件認証取得の為、小型船舶検査機構に資料を提出しましたが、求められた書類は、商品それぞれのUN38.3認証書類とバッテリーそれぞれの電圧・容量等のみでした。UN38.3という規格は別にリチウムバッテリーの安全性をテストする内容ではありません。航空機や船舶で輸送する際の安全性をメーカーが独自に承認会社等に評価検査を行い、そのレポートを取得・管理する物です。リチウムバッテリーを販売するメーカーとしては初期の初期段階の評価検査です。弊社がSE36700Ver2で取得した、国際安全規格 IEC62619:2017とは比べ物にならない簡単な評価検査となります。何故このような簡単な評価を基準にしたのかという本意は分かりませんが、前述したとおり、「承認」・「認証」という文言は控えてほしいという事や、充電は船外で行う事、エレキや魚探以外には使用を認めないという事から、使用する側(ユーザー様)に責任と行動を求めている内容だという事は明白です。今回の条件付きで認められるバッテリーについては、「使用可能なものとしての確認できるバッテリー」という文言らしいです。

今後の小型船舶によるリチウムバッテリー承認の流れ

今後の小型船舶に搭載するリチウムバッテリーには幾つかのカテゴリーを設けるようになってくる事が想定できます。(小型船舶検査機構様とのやり取りから推測される事)

カテゴリー1 充電は船外、使用する機材は限定。

カテゴリー2 充電は船内でも行える。

カテゴリー3 メインエンジンに使用する事や、メイン動力にリチウム蓄電池を使用する等多種多様な機器に電源と使用できる。

このように使用する機器の限定や船内充電の有無などで認められるバッテリーが異なってくる事が想定されます。

弊社バッテリーの船検に対応する為の今後の展望

弊社でもSE36700Ver2以外の現行ディープサイクルバッテリー全商品が「船検時に使用可能なバッテリー」となりました。但しそれはより高い安全性を認められた事とは違います。そこで、それとは別にSE36700Ver2に加え、SE24900、SE24600Ver2の2機種バッテリーのIEC62619:2017の承認取得に向けて評価検査を受けています。これはかなり高い安全性を求めている規格となります。弊社では順次この安全規格を取得し、今後増えてくるであろう上位カテゴリー対応できるバッテリーをご提供できるように準備させて頂きます。

船検対応バッテリーについての詳細

弊社が日本で初めて船検対応バッテリーとして認められてから約3か月が経過し、他社でも船検対応とうたうバッテリーが登場する等、リチウムバッテリーの使用環境に変化がみられるようになりました。そこで現状を確認するにあたり、現在の小型船舶検査機構での船検対応となるリチウムバッテリーの条件を本日(2022年5月9日)に再確認致しました。

自己申告!?に近い内容で、条件承認!!

弊社が初めて認証を受けるときの内容とは大きく変わっていました。変わった理由は条件承認という内容が加わったとの事でした。リチウムバッテリーの普及から船舶に搭載されるケースも増える中、ある程度の門戸を広げる為に「条件承認」という枠を設定したとの事でした。

「条件承認とは……..」

条件承認とは弊社が初めて船舶検査機構に問い合わせをした時(約2年弱前)は、IEC62619という世界安全基準規格が必要で、これを取得する事で初めて承認の舞台に上がれるということでした。しかし、これを取得するには検査基準から費用面までかなり難しい事とになります。

小型船舶検査機構様も現時点でIEC62619の検査証明書を提出しているのは、「エヴォルテックジャパン」のみという事でした。そこで新たに設定された条件認証とは以下の通りになるようです。バッテリーの商品写真、公称電圧、公称電力、公称容量、質量等を自己申告して小型船舶機構の承認を受けると下記の条件で船検承認バッテリーとなるようです。以前と比べて比較ならないほど、承認の壁が低くなりました。

1)エレキモーターのみに使用。 2)船舶内での充電は不可。必ず船外での充電という制限。                3)ヒルジポンプにも使用不可。このような条件で制限されるのが、「条件承認」という概要との事です。

弊社が目指すのは完全認証!!

弊社では、この門戸が広がった「条件承認」はすぐにでも承認は受けようと思います。しかし、国際安全規格IEC62619は、移動体用途を目的にリチウムバッテリーを安全に使用する必要不可欠な検査が行われています。この観点から弊社では、現在は24V90Ahと60AhのIEC62619取得に向けて検査機関にバッテリーを提出し、検査を受けています。

魚探用15Vバッテリー 50Ah 新発売!!

SE151000の容量を減らし、魚探2台~3台を想定したバッテリーを製作しました。最大で16.8Vのこのバッテリーは、多くの魚探の稼働電圧範囲である10V~18Vの範囲内で稼働できる電圧を保持する為、通常の12Vバッテリーよりも同容量を想定すると、より多くの時間を稼働できる優れものとなります。

昨今の消費全力が増えた魚探、通常の鉛バッテリーでは稼働時間を物足りなくなってきているはずです。5kgという軽量バッテリーに秘められた高電圧のパワーを実感してください。

バッテリーの軽さと長時間の稼働を実感できます!!

商品名SE-15500
作動電圧12.0V~16.8V
容量50Ah
寸法上部(蓋部分)270×175×191mm(端子含210) / 下部(底)250×185mm
重量5kg
機能過放電・過充電・温度保護機能・防水IPX6
希望小売価格¥99,800(税抜) *専用充電器セット
PSE経済産業省規定 別表第9に沿って技術基準適合検査済み
発売日2022年04月25日

弊社ディープサイクルバッテリーは全てPSE 技術適合検査済み。出荷前適合検査を実施しています。

よくリチウムバッテリー販売の有名ショッピングモール等で見られる文言「PSE承認!!」!!これは大きな間違いです。販売している側がこの文言を付けているという事は、販売側にはPSEについて理解が出来ていないと判断できます。PSEは何処かの機関に承認されるものではありません。PSEとは経済産業省が求める技術適合に合わせて生産されているかを検査機関にて適合検査を行い、出荷前に自主検査を行い出荷する。言わば生産者側の自己申告によるものです。よって適当にPSE承認や認証という文言が出てきてしまいます。

一つの判断材料として憶えておいてください。

弊社リチウムバッテリーSE36700 Ver2 船検対応と承認!!     リチウムバッテリー小型船舶 船検対応は日本初!!

リチウムバッテリーは船検NG!!

弊社は自動車やバイクのクランキング用のバッテリーを先次て販売していました。そこからお客様のご依頼を受けて、エレキモーター用のディープサイクルリチウムバッテリーを販売させて頂きました。2017年販売を開始して5年ほどの月日が流れました。発売当時は弊社以外でエレキ用リチウムバッテリーは皆無、そのほとんどが鉛バッテリーという状況でした。それはリチウムバッテリーは危険というイメージ、メーカーもユーザーも選択肢には無く、リチウムバッテリーが供給される状態では全く無かったという業界でした。

弊社バッテリーをご使用頂いたユーザー様が体感したメリット、軽さ、長時間使用できる等が受け入れられ、今では数社のリチウムバッテリーを販売されるメーカー様や、多くのユーザーがリチウムバッテリーをご使用されるようになってきました。それでもバスボートにリチウムバッテリーを搭載したままだと、船検が通らないというのが現状でした。それはやはり危険な事に加えて、前例(実績)が無いために認められないという事でした。

前例が無いのであるならば、前例を作るまで!!

それではどのような手順を踏めば船検承認バッテリーになるのでしょうか?小型船舶検査機構様に尋ねてみました。そこで回答を頂きましたが、それは移動体用途に使用されるリチウムバッテリーの安全規格IEC62619(国際安全規格)の規格に合格し、その検査機関が基準を満たしている事を証明する事(検査機関がIEC17025規定を満たす事)が求められました。弊社ではOEMでバッテリーを製作している事もあり、ある程度検査機関の情報は入手しておりましたので、難なく検査機関を選定し、検査依頼を行いました。

検査開始し合格へ!!

検査機関に数多くのSE36700Ver2のサンプルを提供、電池の単セルも提供し各条件に合わせてテストを行って頂き、安全性を確認して適合証明レポートが発行され合格しました。言葉にすると簡単ですが、期間は長くコストも決して安くはありません。ただ、SE36700の安全性を国際機関で証明できたことは、大きい財産となりました。

用意万全!!日本での船検対応バッテリー承認へ!!しかし大きな壁が………

検査も終わりテストレポートを入手し、小型船舶検査機構様へと今後の段取りを確認する為に連絡させて頂きました。しかし、やはり前例が無いため事は慎重に運びたいとの事。まずは、「検査機関が基準を満たしているかを証明してください」と結構難しい難題を頂き、検査機関から基準レポートを頂き提出。また安全運航マニュアルの作成を併せて課題を頂きました。

検査機関基準適合レポート一部

前例を作るまで!!約1年半で小型船舶 船検承認。

検査機関の選定から検査開始、小型船舶検査機構様の承認を受けるまで約1年半の月日を経過しました。今の日本はどのような場合でも前例を作るのは大変難しいです。今回の件もいろいろな方々の助言や協力なくしてはここまで来れなかったと思っています。協力いただいたバスボート関係企業様、弊社をサポートしてくださるバス釣り業界の方々にこの場で改めて感謝申し上げます。また弊社としましても、今後前例が無い事例でも果敢にチャレンジしていきたいと思っております。

SE36700の背面にテスト合格認証ステッカー貼付
IEC62619国際安全規格証明ステッカー

ガソリン高騰でHVバッテリーリフレッシュ依頼が殺到!!

ガソリンが高騰を続けている昨今、今後の見通しはどうなるのでしょうか?そもそも何故こんなにもガソリン高騰は続くのか?要因はいろいろ考えられるようです。

1)石油産出国の減産(コロナの先行き不安)。                        2)オミクロン前のコロナ一段落感により、世界経済が一気に動き石油需要が高まった。     3)世界情勢先行き不安(ウクライナ・台湾・イランなど)。

上記起因でガソリン価格が高止まりしているようです。                  高止まりといっても、2022年1月末時点で、1L/170円(全国平均)というとんでもない平均価格。2020年5月時点は1L/150円(これも決して安くは無いけど…….)政府も元売りに補助金を投入(税金を下げればいいのに!!)するも焼け石に水状態で、価格が下がる予兆も無く今後どうなるのか…………….という不安感が、せめて自衛できることはやってみようという事で、プリウスHVバッテリーの診断が増えてきています。 

2車種の電池診断結果から読み取れること!!

「私はハイブット車だから燃費が良いの!!」とお思いの方は多いですが、それは車載されているHVバッテリーがその性能を如何無く発揮されている事が前提となってしまいます。もしその車載されているHVバッテリーが性能を発揮していなければ、約40kgの電池ユニットですから40kgの人をいつでも同乗させて車を運転しているのと同じ、燃料を無駄使いしている事になります。

左表は2006年製造されたプリウスHVバッテリーユニット、右表は2009年製造のHVバッテリーユニットとなります。それぞれ表の一番右に記されているのは、HVユニット脱着時のそれぞれの電池電圧を測定した結果を記しています。2006年製造の電池ユニット脱着時の電圧差異(一番高い電圧の電池と一番低い電圧の差)は0.05V、2009年製造の電池ユニットの電圧差異は、これもまた0.05Vですよく、プリウス電池ユニットの検査結果として電圧結果を表示して、問題なしと判断されているケースをよく見受けられますが、本当に電圧だけで判断して良いのでしょうか………….?それは「NO」です。

それはどこで確認できるのか?それは表の1-deischarge capacityで確認できます。左表の1-deischarge capacity放電容量差異(一番大きい放電容量と一番小さい放電容量の差)は、2747mAh、1-deischarge capacity放電容量差異は709mAhという結果となっています。この放電容量の差が大きければ大きいほど電池の内部抵抗値の差が大きいという事になります。

左表と右表で1-deischarge capacity~4-deischarge capacityはそれぞれのサイクルで同じ電圧で充電を加え、放電容量を測定した結果となりますが、内部抵抗値の少ない右表は綺麗に色分けがされるのに、左表は色分けがバラバラとなっている事がわかります。これをもっとわかりやすくしたグラフが次のグラフになります。       

上のグラフは、左表の充放電結果をグラフにしたもので、下のグラフは、右表の充放電をグラフにしたものです。上のグラフ(左表)は充放電のバランスがバラバラで内部抵抗値が異なる電池が多いユニットで、充電されても満充電する事は出来ず、よって放電できる電気容量も少ないとう事になります。よってチェックランプは点灯していないものの、燃費の悪いプリウスになってしまっているという事になります。

下のグラフ(右表)は1個だけ(青線)内部抵抗値のことなる電池が発生しています。しかし、この電池ぐらいで、とてもバランスの良い電池ユニットなります。この電池交換だけでより燃費の良い走行を実現できます。              

電池ユニット健康を取り戻して、ガソリン高に立ち向かおう!!

おそらくこのガソリン高はまだ高止まりしそうな情勢です。最初に挙げた要因からするとまだまだこのガソリン高はまだ高止まりしそうな情勢です。政府がトリガー条項凍結解除を行ってくれるのを待ちながら、プリウス等のHV車両を乗っている方々は、電池の状態を確認し悪い状態にあるならば改善するのも、このガソリン高には有効な対応と思います。

    

  

新電池極寒テスト

リチウム電池の弱点「気温低下の不活性化」による電圧低下

リチウム電池は低温になればなるほど内部抵抗値が上がり、容量が低下してしまいます。これはリチウム電池の電解液に使用される有機溶媒が使用されます。電解液は+極と-極に電池反応時にリチウムイオンを移動させる役割を補いますが、気温低下に伴い電解液の粘性が上がってしまい、電極間のリチウムイオン移動を妨げてしまいます。こうして内部抵抗が上がり、リチウムバッテリーの容量を下げてしまう要因となります。

いろいろな試みで気温低下による不活性回避を試みるも・・・・・

リチウム電池の気温低下に伴う不活性化は、リチウムバッテリーを販売している企業では大きな悩みとなっていました。弊社でもクランキング用バッテリーの電池として使用しているlifepo4(リフェ)も温度低下で不活性して、冬季になるとクランキングが難しくなるという実例もございます。他社では電池自体をショートさせ、電池温度上げて不活性を防ぐ方法を選択しているメーカーがございますが、やはりショートさせている以上、電池に対する負荷は大きなものになる事は推測されます。

弊社では新電池を採用!

弊社では気温低下に強い電池を新採用してテストを開始しました。電池は気温低下でも不活性しずらく、起動力の強い電池を採用してテストを行っています。

極寒のモンゴルーウランバートルでクランキングテスト

このトヨタの車両で、前日からバッテリーを搭載、マイナス40℃の夜を倉庫で放置して、翌日の現地時間午前11時にクランキングテストを行いました。

残るは過放電・過充電保護装置の開発

このバッテリーの電池は今までのリチウム電池と異なる公称電圧となる為、最大電圧・下限電圧が全く異なります。またクランキングに対応する為、大きな電流値にも対応できるBMSを開発しなければいけません。これが完成すれば、寒さを気にせずリチウムバッテリーをご使用いただけます。