
クランキングバッテリーをリチウムバッテリーに置き換える、そのメリットはお約束の軽量化なのですが、その他にメリットはないのか?またデメリットは!?という事で、メリットとデメリットを考えてみました。
| メリット | デメリット |
| 軽量化。鉛バッテリーと比べると1/3~1/5へと軽量化できる。 | 低温始動性が悪い。主にリン酸鉄というマテリアルを使用。0℃以下で電圧降下。 |
| 高出力・高クランキング性能 瞬間的に大電流を供給できる。 | コスト高い。鉛に比べて3~5倍程。 |
| 長寿命 充放電サイクルは鉛バッテリーの3倍から10倍。 | 過充電・過放電で劣化や発火リスクがある。品質差が大きい。 |
| 自己放電が少ない。 | オルタネーターの電圧特性がリチウムバッテリーに向かない車両がある。 |
| 電圧安定性が高い。 | 鉛バッテリーと比較すると容量が小さくなる傾向。電力不足気味になる場合がある。 |
| 内部抵抗が少ない。オルタネーター負荷が少なくなる。燃費が良くなるかも!? | 低温での充電制限がある。 |
デメリットから考えるリチウムバッテリーの課題
車両搭載の観点から考察すると、大きな課題は、低温使用時の性能低下と車両の充電制御(鉛バッテリーを想定)がリチウムバッテリーとの相性が悪い場合があるという事です。低温時の性能の低下は、クランキング用のリチウムバッテリー正極材に使用されるマテリアルであるリン酸鉄の特性によるものです。この極材を使用する理由は、オルタネーターの充電電圧範囲とマッチングする充電電圧範囲が広い所にあります。この事から低温時の性能低下があってもこのマテリアルをクランキングバッテリーに採用せざるおえないのです。
もう一つの課題である車両の充電制御との相性については、鉛バッテリーと比較すると何倍もの高コストとなるリチウムバッテリーは、そのコストを少なくするため、容量が小さくなる傾向にあります。そうしますと鉛バッテリー用充電特性がリチウムバッテリーを直ぐに満充電とし、過充電傾向に導いてしまいます。また、エンジンから電装品で大きい電力を使用するようになる近年車両には、リチウムバッテリーの小さい容量では電力不足となり、安定した電圧を供給する事が難しい傾向にあります。
新EVOTEC クランキングバッテリー弱点改善!!


| デメリット | EVOTEC新バッテリーの改善策 |
| 低温時の性能低下。 | リン酸鉄にプラスしてナトリウムイオンマテリアルも採用。ナトリウムイオンの特性は、低温時における性能低下が無い点にあります。ー20℃~60℃の広い温度域で性能を発揮します。 |
| 高コストから容量不足による不安定傾向。 | これもまたナトリウムイオンマテリアルが作用します。地殻中において多い元素であるナトリウムは採掘コストが大幅に少なく、また資源が豊富な事からコスト低くなります。この事から、新EVOTECバッテリーは、大きな容量でもコストを低く設定する事が可能となりました。安定した電力供給を可能としました。 |























