「GR86バッテリーを交換 」鉛とリチウムのクランキング電圧をオシロスコープで比較「ZN8実測

Technical Report / Battery Analysis

エンジンをかける0.5秒で、
バッテリーの差がわかった。

オシロスコープによる実測データをもとに、鉛バッテリーとリチウムバッテリーのクランキング時電圧挙動を比較する

2025.03.12  |  IWATSU DS-5105B による実測
検証車両Toyota GR86 ZN8
🔋 鉛バッテリー純正 55D23R
⚡ リチウムバッテリーEVOTEC EV-70D23R2
00 はじめに

車のエンジンをかける瞬間、バッテリーはセルモーターへ向けて一瞬だけ非常に大きな電流を送り出します。この瞬間を「クランキング」と呼びます。

今回は同一車両に対し、鉛バッテリーリチウムバッテリーをそれぞれ搭載した状態で、オシロスコープ(電圧波形を記録する計測器)を用いてクランキング時の電圧挙動を実測・比較しました。

なぜ電圧に注目するのか クランキング中に電圧が大きく落ちると、ECUやABS・エアバッグなど車の電子制御部品が誤作動・リセットするリスクがあります。「電圧の落ち幅がどれだけ小さく抑えられるか」が、バッテリー性能を評価するうえで非常に重要な指標です。
01 実測結果
測定項目 🔋 鉛バッテリー ⚡ リチウムバッテリー
クランキング前の電圧12.4V13.2V
クランキング中の最低電圧7.2V9.4V
電圧の降下幅▼ 5.2V▼ 3.8V
クランキング直後の電圧11.4V(回復に時間がかかる)13.6V(即時回復)
充電後の安定電圧13.6V13.6V
9V以上を維持できたか❌ 維持できず✅ 維持
“`

クランキング中の最低電圧(12Vを基準として視覚化)

🔋 鉛バッテリー ― 7.2V
7.2V
⚡ リチウムバッテリー ― 9.4V
9.4V
波形の特徴的な違い

鉛バッテリーはクランキング時に電圧が深く落ち込み(7.2V)、その後もすぐには回復せず11.4Vに留まる時間帯が確認されました。オルタネーターが充電を開始しても、内部抵抗の高い鉛バッテリーが電圧を引っ張り下げているためです。最終的に13.6Vへ到達するまでにタイムラグが生じます。

一方、リチウムバッテリーはクランキング中の電圧降下が浅く(9.4V止まり)、クランキング後はほぼ即時に13.6Vへ回復しました。内部抵抗が極めて低いため、オルタネーターからの充電を瞬時に受け入れられるためです。

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02 7.2Vまで落ちると何が起きるか

現代の車には多数の電子制御ユニット(ECU)が搭載されており、それぞれに動作するための最低電圧があります。鉛バッテリーで記録された7.2Vという数値は、いくつかの重要なシステムの動作限界に近い、あるいは下回るレベルです。

エンジンECU
6〜8V
▲ ギリギリセーフ
ABS / ESC
8〜9V
✕ 危険域
エアバッグECU
9V前後
✕ 危険域
カメラ・レーダー
9〜10V
✕ 危険域
ナビ・オーディオ
8V前後
✕ 危険域
アイドリングストップ
9V以上推奨
✕ 誤検知リスク
“` エンジンをかける瞬間、バッテリーの電圧が一時的にガクッと下がります。この「下がり幅」が大きすぎると、ナビがリセットされたり、警告灯が一瞬点いたり、最悪の場合エラーコードが記録されることがあります。心当たりがある方は、バッテリーの劣化サインかもしれません。
“`
03 ISO規格との関係と「評価の空白」
ISO 16750-2 クランキング試験とは

車載電装品の電源耐性を定めた国際規格ISO 16750-2では、クランキング時の最低電圧として6.0V・最大500msという基準が定められています。この観点では、今回測定された7.2Vは「規格合格」です。

しかし、ここに構造的な問題がある ISO 16750-2はあくまで「部品単体」の耐性試験です。現代の車ではECU・ABS・エアバッグ・ADAS・カメラなど、すべての電子部品が同時に同じ電圧低下にさらされます。部品単体では合格でも、システム全体として安全かどうかは別の問題です。
CCA評価では見えない現象

バッテリー自体の評価規格であるCCA(コールドクランキングアンペア)は「どれだけ大電流を流せるか」を評価するもので、クランキング時の電圧降下波形は測定対象ではありません。CCA合格バッテリーであっても、クランキング中の電圧が大きく落ちている場合があります。

今回の測定が示した「クランキング時の電圧降下波形」は、既存の規格の空白に位置します。クランキング電圧降下波形そのものを評価する規格が現状存在しないことは、多重電子制御が進む現代車において、安全評価上の空白ではないか——これが今回の実測から生まれる重要な問いです。

04 なぜリチウムバッテリーは有利なのか

リチウムバッテリーが鉛バッテリーに比べてクランキング時の電圧降下が小さい理由は、内部抵抗の低さにあります。電池は大電流を流すとき、内部抵抗によって自分自身の電圧を下げてしまいます。リチウムバッテリーはこの内部抵抗が非常に小さいため、大電流を流しても電圧が大きく落ちません。

わかりやすいたとえ 細いホース(鉛)と太いホース(リチウム)で同じ量の水(電流)を流すイメージです。細いホースでは水圧(電圧)が大きく下がりますが、太いホースなら水圧をほぼ維持できます。
「始動後の電圧回復」も見逃せない

今回の測定で特に注目すべき点は、クランキング後の回復挙動です。鉛バッテリーはエンジン始動後も11.4Vに留まる時間帯が確認されました。オルタネーターが充電を始めても、内部抵抗の高い鉛バッテリーが電圧を引っ張り下げ続けるためです。

一方、リチウムバッテリーはクランキング直後に即座に13.6Vへ回復しました。エンジン始動後すぐに電装系が安定した電圧で動作できることを意味します。

重要な視点 鉛バッテリーの問題は「クランキング中だけ」ではありません。エンジン始動後もしばらく電装系に不安定な電圧を供給し続けるという点も、現代の多重電子制御車においては無視できないリスクです。
注意点:低温環境での性能低下

リチウムバッテリーは低温時に性能が大きく低下する特性があります。今回の測定は常温環境下でのものです。冬季・寒冷地では結果が異なる可能性があり、この点は追加検証が必要です。

05 まとめ

今回の実測データから、以下のことが明らかになりました。

  • リチウムバッテリーはクランキング時の電圧降下が鉛バッテリーより約1.4V小さく、始動性能において明確な優位性がある。
  • 鉛バッテリーで記録された7.2Vという最低電圧は、ABS・エアバッグ・ADAS等の動作限界に近く、現代の多重電子制御車においてリスク要因となりえる。
  • 鉛バッテリーはクランキング後も11.4Vに留まる時間帯があり、エンジン始動後もしばらく電装系に不安定な電圧を供給し続ける。リチウムバッテリーはクランキング直後に13.6Vへ即時回復し、この問題がない。
  • ISO 16750-2の規格上では「合格」であっても、部品単体試験と実車でのシステム全体の安全性は別問題であり、評価の空白が存在する。
  • CCA評価では見えない「クランキング時の電圧降下波形」を可視化することで、バッテリー性能の新たな評価軸を提示できる。
  • リチウムバッテリーは現代の多重ECU車における電圧安定性という観点で、構造的な優位性を持つ可能性がある。
今後の課題 低温環境下での同一測定、クランキング後のBMSノイズが電装品に与える影響の検証、そして複数車種・複数バッテリー個体での再現性確認が今後の課題です。

GR86のリチウムバッテリーは軽量化だけじゃない。走りで選ぶ2つの選択。

サーキット用とストリート用の選び方

スポーツカーの軽量化というと、
ホイールやマフラーを思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし実は、バッテリー交換も非常に効果の大きい軽量化ポイントの一つです。

特に Toyota GR86 (ZN8)
フロントオーバーハングにバッテリーが搭載されているため、
軽量化の効果を体感しやすい車でもあります。

ただし、GR86のリチウムバッテリー選びは
「軽ければ良い」という単純な話ではありません。

走行スタイルによって

  • 軽量モデル
  • 容量モデル

という選択があります。

GR86の純正バッテリー

GR86の純正バッテリーは

55D23RサイズとしてはD23クラスで、重量はおよそ約13kgあります。

リチウムバッテリーに交換すると?

EVOTECリチウムバッテリーの場合

モデル(EVOTEC)重量
EV-45B19R2 (サーキット用)約4kg
EV-70D23R2 (一般街乗り)約6kg

純正と比較すると最大 約9kgの軽量化になります。

フロント荷重が変わる

GR86はフロントオーバーハングにバッテリーがあります。

この位置の重量が軽くなると

  • フロント荷重低減
  • 回頭性向上
  • ステアリング応答向上

といった変化が起きます。特にサーキット走行ではこの違いを体感する人も少なくありません。

EPS(電動パワーステアリング)と電圧

GR86はEPS(電動パワーステアリング)を採用しています。

電動パワステはモーターでアシストを行うため、電源電圧の影響を受けやすい装置です。

ステアリング操作時には瞬間的に40〜80A程度の電流が流れることもあります。

バッテリー内部抵抗が高い場合、この電流で電圧が落ちることがあります。

EVOTECリチウムバッテリーは

内部抵抗(DCR)が低いため

  • 電圧降下が小さい
  • 電圧回復が速い

という特徴があります。結果としてEPSの動作電圧が安定しやすいというメリットがあります。

鉛バッテリー内部抵抗値:8.69mΩ
EV-70D23R2の内部抵抗値:3.72mΩ

GR86の可変オルタネーター

GR86は従来の車のように常に14Vで充電しているわけではありません。

燃費向上のため可変オルタネーター制御が採用されています。

例えば

状態電圧
通常走行12.3〜12.8V
減速時14V以上

つまり減速時に積極的に充電する制御になっています。

リチウムバッテリーとエラーの話

最近よく聞くのが「リチウムバッテリーにするとエラーが出るのでは?」という話です。

実際にネット上では

  • P0560
  • P1C00

などの電圧関連エラーの話が出てくることがあります。

これは

  • ECUが電圧挙動を監視している
  • 鉛バッテリーとリチウムバッテリーで電圧回復特性が違う

といった理由で起きるケースがあります。今回、GR86にEV-45B19R2(サーキット走行モデル)リチウムバッテリーを交換する際にはOBDポートにバックアップ電源を接続して交換しました。

その結果

エラーコードは一切発生しませんでした。

バックアップ電源を使用することで

  • ECUメモリー保持
  • 学習値保持

ができるため、
エラーを防げた可能性があります。

リチウムバッテリー選択の基準

サーキット向けモデル

EV-45B19R2

軽量化を重視するならこちら。

特徴

  • 最大軽量化
  • 約9kgのフロント軽量化
  • レスポンス向上

サーキット走行やスポーツ走行を楽しむGR86にはこの軽量モデルが最適です。

ストリート向けモデル

EV-70D23R2

街乗り中心のGR86には容量モデルという選択もあります。

特徴

  • 大容量 70Ah
  • 安定した電圧
  • 余裕のある電力供給

電装品が多い車両や日常使用が中心の方にはこちらが安心です。

総括

GR86のリチウムバッテリーは軽量化パーツでもあり電源チューニングでもあります。

走行スタイルによって

  • サーキット向け軽量モデル
  • ストリート向け容量モデル

という選択があります。軽さだけではなく使い方に合わせて選ぶことが重要です。

新EVOTECバッテリーの利点と進化

クランキングバッテリーをリチウムバッテリーに置き換える、そのメリットはお約束の軽量化なのですが、その他にメリットはないのか?またデメリットは!?という事で、メリットとデメリットを考えてみました。

         メリットデメリット
軽量化。鉛バッテリーと比べると1/3~1/5へと軽量化できる。低温始動性が悪い。主にリン酸鉄というマテリアルを使用。0℃以下で電圧降下。
高出力・高クランキング性能 瞬間的に大電流を供給できる。コスト高い。鉛に比べて3~5倍程。
長寿命 充放電サイクルは鉛バッテリーの3倍から10倍。過充電・過放電で劣化や発火リスクがある。品質差が大きい。
自己放電が少ない。オルタネーターの電圧特性がリチウムバッテリーに向かない車両がある。
電圧安定性が高い。鉛バッテリーと比較すると容量が小さくなる傾向。電力不足気味になる場合がある。
内部抵抗が少ない。オルタネーター負荷が少なくなる。燃費が良くなるかも!?低温での充電制限がある。

デメリットから考えるリチウムバッテリーの課題

車両搭載の観点から考察すると、大きな課題は、低温使用時の性能低下と車両の充電制御(鉛バッテリーを想定)がリチウムバッテリーとの相性が悪い場合があるという事です。低温時の性能の低下は、クランキング用のリチウムバッテリー正極材に使用されるマテリアルであるリン酸鉄の特性によるものです。この極材を使用する理由は、オルタネーターの充電電圧範囲とマッチングする充電電圧範囲が広い所にあります。この事から低温時の性能低下があってもこのマテリアルをクランキングバッテリーに採用せざるおえないのです。

もう一つの課題である車両の充電制御との相性については、鉛バッテリーと比較すると何倍もの高コストとなるリチウムバッテリーは、そのコストを少なくするため、容量が小さくなる傾向にあります。そうしますと鉛バッテリー用充電特性がリチウムバッテリーを直ぐに満充電とし、過充電傾向に導いてしまいます。また、エンジンから電装品で大きい電力を使用するようになる近年車両には、リチウムバッテリーの小さい容量では電力不足となり、安定した電圧を供給する事が難しい傾向にあります。

新EVOTEC クランキングバッテリー弱点改善!!

デメリットEVOTEC新バッテリーの改善策
低温時の性能低下。リン酸鉄にプラスしてナトリウムイオンマテリアルも採用。ナトリウムイオンの特性は、低温時における性能低下が無い点にあります。ー20℃~60℃の広い温度域で性能を発揮します。
高コストから容量不足による不安定傾向。これもまたナトリウムイオンマテリアルが作用します。地殻中において多い元素であるナトリウムは採掘コストが大幅に少なく、また資源が豊富な事からコスト低くなります。この事から、新EVOTECバッテリーは、大きな容量でもコストを低く設定する事が可能となりました。安定した電力供給を可能としました。

新エンジン始動用リチウムバッテリー 伊藤 巧艇サウザーに装着!!

伊藤巧艇サウザーに装着

新しいエンジン始動用バッテリーを10月から発売します。このバッテリーは、エンジン始動用ですが、バスボートに使用を想定し、開発をしました。バスボート用とは何か?

バスボートで使用される方は、エンジン始動用バッテリーから、魚探電源としてもご使用される方がおられます。その場合、始動用バッテリーは深放電状態になる事があります。組電池の場合、放電時に電池のバランスが崩れやすくなります。電池それぞれの電池バランスが崩れ、一瞬でも大きな電流を引き出すクランキングは、一番低い電圧電池にダメージを与えてしまいます。

電池はバランスがとても重要となります。

アクティブバランス調整BMSを装着

このBMSは、充放電時に各電池がバランスを整えるように調整させる機能があります。一番低い電圧電池の電圧を、他の電池から充電させて、電圧をなるべく均一化させるために作動します。

これは、充電時にバランス調整させているBMSの動きです。一番低い電圧電池:3.240V、一番高い電池の電圧:3.256V。電圧差:0.016Vあります。赤いランプがBMSの作動を示します。そこからより充電が進んだ状態が次の画像です。

この状態での電圧差は0.004V。かなり均一化されました。このようにバランスを保つことで、電池の保護と組電池全体のポテンシャル維持に繋がります。

バッテリーの進化

基板の小型化

リチウムバッテリーと言えども、全てが同じ電極材を使用しているわけではございません。使用目的の違いで、電極材が異なってきます。また、装着される機器の電力等で搭載される基板も異なってきます。これはLifepo4 シリンドリカルセルを使用している、モーターサイクル及び競技用4輪車両用のクランキング用バッテリーEV600とEV600PLUSの画像です。電池に変更はないのですが、基板がPCM(各電池のバランス監視)からBMS(監視+過放電保護回路)に進化しました。この事により、バッテリーを長期放置し暗電流で過放電して壊れていたバッテリーが保護されるようになりました。

これは、クランキングに大きな電流を一瞬でも流れる事に対応できる基板は、おのずとサイズが大きくなり、小型バッテリーケースには入らず、各電池バランス監視のみのPCMを採用する選択しかなかったですが、技術の進歩で大電流対応小型BMSが完成して、EV600に搭載してEV600PLUSに進化しています。

写真提供:Garage遊心 様

Garage | 遊心 (g-yushin.com)

電池の進化

この電池はLTOリチウム電池です。LTOという極材は下記に記したように、他のリチウム極材が不得意な大電流放電も可能で容量の30倍の放電も可能な電池です。またライフサイクルもLiFepo4(リン酸鉄)極材の3倍から5倍程で、動作可動温度もー30℃でも動作可能と良い事づくめですが、体積エネルギーが小さく、容量を稼ごうとするとバッテリーが大きくなってしまいます。

Lifepo4(リン酸鉄)リチウムバッテリーと同じぐらいの容量にする場合は、大きさは約1.5倍で重量は2倍以上となってしまいます。またクランキング用では一瞬でも大きな電流が流れてしまいます。それに対応するLTO電池用BMSはものすごく少なく、価格はBMS基板1個で6万円ほどになってしまいます。高額すぎるため、今回採用はバランス管理のみのPCMを採用しています。この基板も進化して、小さく安くなるのを期待します。

4輪用LTOクランキング用リチウムバッテリーテスト開始

4輪用LTOリチウムバッテリーのテストを開始します。テストする車両はこれから少しずつ紹介していきますが、ハイコンプされたチューニング車両、許容電圧の広いLTOの特徴を生かし回生システムを採用した車両、またかなりの低温地域で車両に搭載するなどのテストを行っていきます。

乞うご期待ください。

長寿命の実証

4年間使用したEV-360の容量測定結果

4年間使用してきた弊社リチウムバッテリー。

SUZUKIのGSX1300Rに4年間の歳月装着されていた弊社リチウムバッテリー。(旧型)新型とはケースの違いで、中の電池等は変わっていない。その4年使ってきたバッテリーを交換する事になったとの事。

使用していて特に問題は感じていないが、鉛バッテリーの時は使えても1年半ぐらいだったとの事で、「いくらリチウムバッテリーと言えども、4年使用していたら、何時使えなくなるかわからないので、新EV-360に買い替える事になったとか………

そこで、「じゃどれくらい容量が残っているか測定しよう!!」という事で弊社に依頼がありました。

容量測定の結果は7.201Ahとなりました。このバッテリーの新品時の容量は7.500Ahです。4年間使用しての容量低下は0.299Ahでした。

この結果からバッテリーは、4年間使用していても容量低下がない新品状態でした。鉛バッテリー時は1年と少しで必ず使用できなくなっていた事から、オーナーもかなりびっくりした様子でした。

しかし、これはリチウムバッテリーの使用環境が良かった事も、容量低下をしていない要因に挙げられます。

1、充電電圧の管理において、14.6V以上にならず、過充電を起こしていない。

2、弊社CUTBOX(カットオフスイッチ)も併用しており、長期間乗らない時期の過放電を防いでいた。  

リチウムバッテリーは魔法のバッテリーではないですが、正しい使用方法、管理で長寿命は必ず実現します。

ご参考ください。

新モーターサイクル用バッテリー EV-360PLUS発売

今までのモーターサイクル用バッテリーは、バッテリーサイズから過放電を保護するBMS(基板)を装着する事が出来ませんでした。その事で、過放電させてしまった場合、電池を損傷させてしまい、バッテリー故障の起因となっていました。
基板サイズがここまで小さくなったことで、小型リチウムバッテリーにも過放電保護装置が装着できるようになりました。過放電保護機能の装着でのメリットは過放電でのバッテリーの故障を防ぐものになります。間違ってはいけない事は、電池は深く放電させればさせるほど、電池は劣化します。過放電保護装置で、過放電による瞬時の故障は避けれますが、電池には負荷をかけていますので、保護装置稼働電圧まで下げていない場合と比べると、電池の劣化は進むことになります。

過放電装置の解除は専用の充電器を使用する事になります。または、有料充電サービスをご用意します。充電器が無くてもご使用頂けます。

新しいLTO系リチウムバッテリーの可能性!!

LTO(チタン酸リチウム電池)について

リチウム電池と一言で言ってもいろいろ種類の電池があり、使用目的等で電池が選択されています。

それぞれのリチウム電池の特性を考えて、一番有効と思える電池と基板を組み合わせて、リチウムバッテリーは構成されています。

現在、多く使用されているリチウム電池の特性の長所を大きく上回り、また短所をカバーしている夢のような電池が、このLTO(チタン酸リチウム電池)リチウムになります。

どのような特性があるのでしょうか……….

今までのリチウム電池と比べても

長寿命(6000回の充放電)

安全性(過充電に耐える)

急速充電(数分で充電可能)

低温でも使用可能(-30℃でも使用可能)

高電流対応(高い電流値の出し入れが可能)

なんとも夢のような電池です。

こんな夢ような電池、デメットは無いのでしょうか????

やっぱり有るみたいです。

それは…………………………

価格(主流電池のkWhあたり2倍ほど)

エネルギー密度が低い(主流電池の半分から2/3)

LTO(チタン酸リチウム)の最適な用途は!!

LTOリチウムのメリット・デメリットを考察したうえで、最初に作ってみようと思ったのはバイク用のスターターバッテリーです。

メリットを考えると、DEEPサイクルのバッテリーに使用してみたいのですが、なにせエネルギー密度が低い!!こうなると、ディープサイクルバッテリーを作ってみると、かなり大きなバッテリーとなってしまいます。また高額にも……………………。

そこでこのEVOLTEC LTO500は、5個LTO電池を直列に使用。

バッテリー容量は2.9Ahと物凄く低くなってしまいますが、過充電は20Vまで対応。

例えば、古いバイクはジェネレーターが不安定!突然のジェネレーターパンクによる電圧の不制御状態での高電圧でも対応できるという事が、バイク用スターターバッテリーをこのLTOで作ってみた最大の理由です。

LTO始動性!!

2.9Ahでもこんなに簡単にクランキングします。

新しい電池種類でのバッテリー制作

リチウムイオンバッテリーの種類

リチウム電池と言っても数多くの種類があります。

これは、リチウム電池の正極材に何を使用するかで異なり、いろいろ種類のリチウム系電池が存在しています。

弊社でも大きく分けて2種類の電池を使用しています。

LTO系リチウム電池!!

このLTO系リチウム電池の利点はズバリ!!「安全性」と「ライフ特性」です。

今までのリチウム電池と比較すると、より大きな充放電電流や、より大きな充電電圧にも耐えうる電池となっているのです。

今回バイク用で初めて採用しますが、公称電圧2.4Vの電池を5直列で12Vです。最大電圧2.8Vですが、この1.5倍の4.2Vまで耐えうる電池となっています。電池1個が4.2Vなので、これを5直する今回のバイク用スターターバッテリーは、最大21Vまで耐えうるバッテリーとなります。

これで、突然の充電制御系の故障での過充電にも対応できるバッテリーとなります。

また、通常のリチウム電池が充放電1000サイクルの容量維持率が85%ほどに対して、LTO系リチウムは6000回の充放電サイクルの容量維持率が90%以上とも言われています。

とにかくライフ特性が良い電池と言えます。

また、低温による不活性を受けにくい電池と言えます。

通常のリチウム電池は5℃以下の環境下では、内部抵抗が増加してリチウム電池の本来のパフォーマンスが発揮されない事がありますが、氷点下になった場合でも内部抵抗が増加せず本来のパフォーマンスを発揮できるのも特徴の一つとなります。

良いこと尽くめ!?LTO電池!!

それではいいこと尽くめなのでしょうか?この電池!!

やはり多少なりとも欠点はございます。

*体積エネルギーが低い。

電池に貯められるエネルギー率が低いため、通常のリチウムバッテリーと比較すると、大きく重たいバッテリーとなってしまいます。

現在弊社の蓄電池用バッテリー36Vをこの電池で制作すると、重さは約3倍の48kgほどになってしまいます。

*価格が高い

通常のリチウム電池と比べるとコストが約倍です。

それではまずはバイク用スターターバッテリーで!!

弊社のバイク用EV-360バッテリーケースにLTO電池を5直で挿入予定。

近日中に発売を開始します。

専用の充電器等のお知らせも追ってお知らせします。

バスボートのエンジン始動用バッテリーを考える。

バスボートのエンジン始動用バッテリーに求められるもの!!

バスボートのエンジン始動用バッテリーは、過酷な使用条件下での性能が求められています。

それは2つの性能を発揮することが重要となっています。

1)ある程度放電させる使用方法でも、クランキングさせることが可能な瞬発力。

2)一定の電力を長時間使用しても大丈夫な蓄電力。

上記の2つの性能は、従来の鉛バッテリーを想定すると相反する性能で、鉛バッテリーではその要求に対応することは出来なくなっています。

より鮮やかとなる魚探は、より電力が必要に!!

この魚探の画像は、弊社のリチウムバッテリーEV-12225をバスボートクランキング用としてご使用いただいている方の画像です。

合計6台の魚探をクランキング用リチウムバッテリーから賄っています。

消費電力等をレポート頂きました。これら全てのデーターはこの方の実測値となります。

これらの魚探を全て動かす電力は7.7A程で、これら全ての電源をリチウムバッテリーから拾っています。

鉛バッテリーでは蓄電力と瞬発力を求めるのは酷!!

鉛バッテリーは、蓄電力に特化したディープサイクルバッテリーと、瞬発力に特化したスターターバッテリーと大きく分けたら2種類あります。

逆に言うと、蓄電力と瞬発力を併せ持つ鉛バッテリーは存在しない事を意味します。

スターターバッテリーはクランキング時の大きな電流値に対応するため、表面積を増やすため薄いプレートを持つ構造となっています。

しかし、放電には不向きで、この薄いプレートが放電による酸化に耐える事ができません。

ディープサイクルバッテリーは、厚いプレートを使用しています。深い放電に耐えるべく厚いプレートを使用しています。

しかし、表面積が少なくなってしまうことで瞬発力が低下してしまいます。

このように「二兎追うものは一兎をも得ず」状態となってしまうのです。

リチウムバッテリー使用で「二兎を得る」

これは上記魚探を作動させながらの使用実測値データーとなります。

リチウムバッテリーは新品のバッテリーを使用。鉛バッテリーとドライバッテリーは使用されているものを使用されている思われます。

しかし、エネルギー密度の高いリチウムバッテリーならではの蓄電力と、高い電圧が寄与する始動性の瞬発力が、多くの可能性の生み出しています。

また、リチウムバッテリーはある程度充電電流値で充電する事が可能です。

この75Ahリチウムバッテリーの場合は、下記表にあるようにオルタネータからの30Aほどの電流値でも問題なく充電する事は可能です。

鉛バッテリーの場合は種類にもよりますが、低い電流値での充電が求められます。

蓄電力・瞬発力・軽量等のリチウムバッテリーメリット    管理の必要な充電電圧デメリット

電気を蓄電して使用し、大きな電流値を使用しなければいけないクランキング性能を求めるには、リチウムバッテリーを選択する事は必然となってくるかもしれません。

しかし、リチウムバッテリーには充電電圧の管理が必要となってきます。

このEV-12225リチウムバッテリーは、14.7V以上を感知すると安全装置が働いて、バッテリーの機能を止めてしまいます。

またすべてのクランキング用リチウムバッテリーは、13.5V以下の電圧の場合は充電されません。

オルタネーターの充電電圧を知ることが必要となってきます。

この使用レポート頂きましたO様ありがとうございました。