バッテリーの進化

基板の小型化

リチウムバッテリーと言えども、全てが同じ電極材を使用しているわけではございません。使用目的の違いで、電極材が異なってきます。また、装着される機器の電力等で搭載される基板も異なってきます。これはLifepo4 シリンドリカルセルを使用している、モーターサイクル及び競技用4輪車両用のクランキング用バッテリーEV600とEV600PLUSの画像です。電池に変更はないのですが、基板がPCM(各電池のバランス監視)からBMS(監視+過放電保護回路)に進化しました。この事により、バッテリーを長期放置し暗電流で過放電して壊れていたバッテリーが保護されるようになりました。

これは、クランキングに大きな電流を一瞬でも流れる事に対応できる基板は、おのずとサイズが大きくなり、小型バッテリーケースには入らず、各電池バランス監視のみのPCMを採用する選択しかなかったですが、技術の進歩で大電流対応小型BMSが完成して、EV600に搭載してEV600PLUSに進化しています。

写真提供:Garage遊心 様

Garage | 遊心 (g-yushin.com)

電池の進化

この電池はLTOリチウム電池です。LTOという極材は下記に記したように、他のリチウム極材が不得意な大電流放電も可能で容量の30倍の放電も可能な電池です。またライフサイクルもLiFepo4(リン酸鉄)極材の3倍から5倍程で、動作可動温度もー30℃でも動作可能と良い事づくめですが、体積エネルギーが小さく、容量を稼ごうとするとバッテリーが大きくなってしまいます。

Lifepo4(リン酸鉄)リチウムバッテリーと同じぐらいの容量にする場合は、大きさは約1.5倍で重量は2倍以上となってしまいます。またクランキング用では一瞬でも大きな電流が流れてしまいます。それに対応するLTO電池用BMSはものすごく少なく、価格はBMS基板1個で6万円ほどになってしまいます。高額すぎるため、今回採用はバランス管理のみのPCMを採用しています。この基板も進化して、小さく安くなるのを期待します。

4輪用LTOクランキング用リチウムバッテリーテスト開始

4輪用LTOリチウムバッテリーのテストを開始します。テストする車両はこれから少しずつ紹介していきますが、ハイコンプされたチューニング車両、許容電圧の広いLTOの特徴を生かし回生システムを採用した車両、またかなりの低温地域で車両に搭載するなどのテストを行っていきます。

乞うご期待ください。