今人気のポータブル電源の検証依頼を受けて

これは今人気のポータブル電源。キャンプ人気を受けてかなり売れている機種らしい。しかしこれを購入した方から調べてほしいと依頼を受けました。

このユーザーさんが疑問に思ったことが下記の通りです。

1)思ったより容量が少なく。使用できる時間が少なく感じる。

2) 1000Wまで使用できるとあるが、1000Wの電子レンジは動かなかった。

3) 上記2件から壊れているのではないか?

この3件を検証しました。

大容量278400mAhという見出し!!

278400mAhは確かに大容量。Ah換算すると278.4Ahとなります。しかし、別に12V・24Vという事は明記されていません。これはこの電池の定格電圧3.6V 2900mAhの電池が96本ユニットなっている蓄電池です。この蓄電池は3.6Vが6直列の16並列になっています。つまり、定格21.6V(最大25.2V)46400mAhとなります。46.4Ahの容量という事になります。

見出しは嘘ではありません。しかし、通常12Vだの24Vで〇〇Ahの表記で慣れている為に勘違いはしますが、この電源に使用されている電池の容量は278400mAhになります。例えば、この最大使用可能電力の1000Wで使用した場合、約1時間で終了する事になります。

最大1000Wの電源に使用可能!!について

まず電子レンジの1000Wをこのようなポータブル電源や、インバーターを使って出力した場合、1000Wの出力では収まりません。AC→DC変換ロスもありますから15%ほど電力は大きくなります。よって1000W電子レンジには使用は出来ません。

左がこのポータブル電源のインバーター/ 右が弊社の1500W対応のインバーター

インバーターの比較を見ても分かりますように、ポータブル電源の長所はコンパクト、軽量です。ポータブル電源に組み込まれているインバーターもコンパクトになって当たり前です。しかし、両方とも正弦波を謳っています。正弦波は疑似波と比較すると、スイッチング消費(熱)が発生します。これを効率よく放熱する事も重要となります。コンパクトになるインバーターは放熱性が問題で、大きな電力を必要とする電源には向きません。

検証してみて改めて思う事!!

ポータブル電源を検証してみて思うことは、まずお客様からの疑問でもあった、この電源故障は無かった事。容量も最大使用電力も偽りでは無かったことが分かります。しかし、分かりにくい事も確かです。せめて大容量の〇〇〇〇〇〇mAhの表記はやめた方が良いと思います。ただとても軽量でコンパクト、とても便利なものには間違いないです。小さな電源を使用する電源にはもってこいの電源になります。しかし、大きな電源には向きません。このコンパクトが邪魔するからです。このようなポータブル電源は、充電・放電全ての機能が1つに収まっています。

弊社の24V60Ahを約1000W放電・充電したデータ

この画像グラフは弊社の24V60Ahのグラフです。このポータブル電源と一緒の表記にすると420000mAhの容量となります。つまり、141600mAhも容量が多くなります。しかし、バッテリーのみでの放電・充電でも電池温度は40度を超えるのです。これに充電器が内蔵・インバーターが内蔵されるポータブル電源は、電源内の温度がどこまで上昇されているか分かりません。かなりの温度上昇が予想されます。

自分の使用方法を考慮した選択が必要

今、このようなポータブル電源からインバーターを介しての電源使用等が増えてきました。メーカーの数字を鵜呑みにするだけでなく、いろいろな考察が必要となっているのが現状です。電化製品の消費電力、AC→DC変換ロス、使用時間、入出力電圧等を踏まえて使用電源を選択する事が重要です。

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