プリウス駆動用バッテリー手術 診断編

プリウス駆動バッテリー警告灯点灯

お客様から依頼を受けた駆動用バッテリーの電池の交換。電池の交換といってもユニットの交換ではありません。ユニットの中にあるセル(電池)個々の交換です。この作業は全ての車両に通用するものではありません。症状によって行える車両、行ってもあまり意味がない車両と分かれます。この作業に効果があると判断される車両の症状は下記のようになります。

個々セル(電池)交換効果の出る可能性のある車両とは・・・・

1)最近急激に燃費が落ちた。燃費Ave(アベレージ)が15kmほどになってきた。

2)駆動用バッテリー警告灯は点灯していないのに、数キロ走っても電池残量があるにも関わらずEVモードにならない。

3)電池残量アベレージが急に減ったり、増えたりする。

このような車両は電池全体の劣化の可能性よりも、数個の電池が悪さをして、電池ユニット全体に悪影響を及ぼしている可能性があります。それを今回は診断します。

電池個々の診断開始

診断結果表

診断結果からこのユニット最大の劣化ポイントは2-6と2-5の容量低下によるものです。特に2-6電池はかなりダメージが大きく。若干の負荷の充電でも匂いを発しながら膨張するまで劣化が進んでいました。

上記の表は容量をmAhで表しています。数字が大きければ大きいほど、ダメージが少ないという事になります。

診断結果から

診断結果から交換すべき電池を判断出来ました。2-6と2-5のみ交換すれば良いものではありません。まだ交換すべき電池は残っています。

また交換用の電池選択も重要です。高容量の電池をむやみに交換すれば良いものではありません。個々電池容量の差異をある一定値内に収めて、電池の製造年をなるべく近いものを選択する事が重要となります。

今回は診断で終了します。次回はセル交換と搭載まで行います。