鉛バッテリーの充電電圧の疑問!?

鉛ディープサイクルバッテリーを充電しようとする時、充電電圧がどれぐらいか気にされていますか?そのほとんどの鉛バッテリー用充電器(12V用)は15Vを超えて、16Vに近い電圧で充電されるものが多いようです。

その電圧は高くないのでしょうか?これほど充電電圧が高くないと、鉛バッテリーは満充電されないのでしょうか?検証してみました。

検証内容は、新品のボイジャーM27MFを鉛バッテリー専用充電器で充電(最大電圧15.9V)し、容量測定器で40Aの放電電流値で、10.8Vまで放電させ、容量と電力を調べるテストです。

結果は、容量54.709Ah、電力は628.023Ahという結果でした。

次は弊社MULTI CHARGERで充電、放電テストへ

弊社開発中のマルチチャージャー。鉛のバッテリーも充電できるラインを設けていますが、最大電圧は、14.6Vとなります。この電圧だと鉛バッテリーは満充電できないのでしょうか?

弊社マルチチャージャーの12Vライン(EVO12Vラインは除く)の充電アルゴリズムです。CCCV方式で(定電流定電圧充電)13.9Vまで10Aで充電し、それ以降は電流値が下がり、定電圧で調整していく方式です。

検証方法は、前述した鉛用充電器の検証と一緒で、マルチチャージャーで充電が終了したバッテリーを、容量測定器で40Aの放電電流値で10.8Vまで放電させ、容量と電力を調べるテストです。

結果は容量55.348Ah、電力は645.472Whという結果になりました。

鉛バッテリー充電器とマルチチャージャーで満充電したバッテリーの放電テストの結果をまとめました。

充電器最大電圧容量電力
鉛バッテリー充電器15.9V54.709Ah628.023Wh
EVOTECマルチチャージャー14.6V55.348Ah645.472Wh
充電器容量テスト(10.8Vまで40A放電)

放電テストの結果から言える事!!

このテスト結果から言える事は、比較的新しいバッテリーには、15V超える高い電圧の充電は必要ないという事です。ほぼ同じ容量と電力を計測したテストですが、最大電圧の低いEVOTECマルチチャージャーの方が若干上回る結果が、それを証明しています。

Charge stages of a lead acid battery [1]
Source: Cadex

上記表は、推奨される鉛バッテリーの充電方法と電圧の関係です。ここでは、1ブロック2.30V~2.45Vの値を推奨しています。これは、6ブロックの鉛12Vバッテリーの場合、13.8V~14.7Vの値です。

15V超える充電は必要なのか!?

鉛バッテリーは、1ブロック2Vが6個直列になり、12Vバッテリーを構成しています。15V超える充電電圧は、過充電と言って良いと考えます。バッテリーメーカーが公表しているアブソープ充電電圧の最大値も、2.45V/1ブロックで14.7Vという事になります。サルフェーションが進み、劣化したバッテリーの各ブロック均一化を図るために、高電圧充電(16Vほど)を行うケースがあるようですが、過充電での性能復帰はあまり期待できず、このような状態になる事を防ぐ方が、適切と考えます。

鉛バッテリーを長く使用するには!!!それに貢献できるEVOTECマルチチャージャー

鉛バッテリーを長く使用するには、適切な充電電流値で、適切な電圧で充電する事。大きな電流値で充放電を行わない事などが挙げられます。EVOTECマルチチャージャーは、10Aの電流値で、バッテリーに最大の充電効率をもたらす3段階充電方式を備えた充電器です。(上記アルゴリズム参照)鉛バッテリーの長寿命にも貢献します。